ダノンには気懸かりな中山の馬場 「一戦余計」なタワー陣営は…

優馬TM座談会
スプリンターズS

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人気ほどの差はない この馬が狙い目だ

デスク「ペースメーカーとしてすでに名前の挙がったモズスーパーフレアだけど、実はスタッフの◎の数ではダノンスマッシュと互角なんだな」

坂倉モズスーパーフレアは、何と言っても中山1200mでのこれまでのパフォーマンスが超抜ですからね。前走の北九州記念は、久々の上にハナを切る自分の形に持ち込めなかったものでしたし、春の高松宮記念もGIの壁に跳ね返されたというより、枠順が全てだった感もあります。一叩きしての得意コースなら見直す手ですよ」

板子モズスーパーフレアは、元々が詰めて使うと良くないタイプですが、高松宮記念は、オーシャンSからの中2週で、心身ともに回復できていなかった印象を受けます。今回は本番まで中5週という北九州記念をステップレースに選択したわけですが、本番を見据えたプラス26キロという余裕の馬体だった分もあったでしょう。とにかく前で運んだ馬に有利な今の中山の馬場では、止まるシーンも考えにくいですね」

西田「ステップレースに結果を求めず、丁度いいローテーションで本番を迎えることに重きを置いた調整には好感が持てますよ」

持木「テン32秒3というモノ凄いラップを刻んで逃げ切ったオーシャンSの時点で、同じ舞台のここはしょうがないかと思ったほどですよ。今の速い時計の出る馬場での高速決着にも十分対応できるはずですね」

田崎「速さ負けなどしたことのなかったこの馬が北九州記念でハナへ行けなかったのは、板子君も言うようにトライアル仕様の体だったためですからね。勝手の違うレースとなったにもかかわらず、一旦先頭で見せ場を作ったあたりが能力でしょうし、条件が好転する今回は狙い目だと思います」

デスク「ただ、モズスーパーフレアがいくら速いとはいえ、絡んでくる馬もいるはずだし、オーシャンSのような暴走ラップを刻んで勝てるほど、GIは甘くはないと思うが…」

瀬古「ロードカナロアが1分6秒7のレコードでこのレースを制したのが2012年のこと。それ以降、先週まで行われた中山1200mの最速タイムは1分7秒0なんですが、モズスーパーフレアはこの時計を2度マークしているんですよ。“負けた時のようなタメ逃げは合わない。後続を引き付けずに4コーナーでは離すレースをさせたい”と、音無師も話していたように、スピードに関しては陣営も絶対の自信を持ってますからね。そのスピードが、他の騎手から暴走に映るのであればむしろ好都合ですし、逃げ切りの公算も高いと思いますよ」

モズスーパーフレア

中山では3勝2着1回の好成績を収めているモズスーパーフレア(撮影:日刊ゲンダイ)

久光「僕は昨年に続いて3歳牝馬の激走を、ディアンドルに期待します。初めて経験した前半32秒台の流れにもしっかり対応できた前走は価値のある2着だと思いますし、本番への試走という意味では通用の裏付けが取れたと言えます。デビュー以来、1200mのみに拘って使われてきたスペシャリストであり、早い時期から経験を積み上げて中山でも2戦2勝と、ここまで青写真通りに辿り着いたのではないかと思いますよ」

中邑ディアンドルの魅力は、何よりこの中間の上昇度ですね。もともとが調教駆けするタイプとはいえ、3週連続で坂路のラスト1ハロンを馬なりで11秒台というのは、相当な脚力の証明ですし、これまでの最終追いでの4ハロンの最速タイムを2秒も更新してきたあたり、陣営も渾身の仕上げで臨んできた印象を受けますよ」

伊利「枠順や展開、さらにはトラックバイアスや斤量などの影響を他の条件よりも受けやすい芝の短距離戦において、ディアンドルがパーフェクトに連対していることは立派の一言でしょう。一線級との対戦は初めてとなりますが、葵Sで負かしたアスターペガサスが函館スプリントSでタワーオブロンドンに先着した実績を考えれば、ここでも差はないと判断できます」

デスクディアンドルの過去7戦パーフェクト連対というのは確かに凄いが、もっと凄いのは2戦目以降今回まで全て乗り替わりで、7戦で6人のジョッキーが跨いでいることなんだよな。今回は一度乗って勝っている藤岡佑が乗ることになるわけだが…」

「その藤岡佑騎手ですが“この馬の良いところは純粋に脚が速い。それでいてレースではムキにならないところ”とのことです。前走で出負けしたので、この中間はゲート練習も取り入れていますが“先週のゲート練習では動く面もなく落ち着きがあった。課題を一つ修正できてレースに臨める点は大きい”と話してましたね。手応えは十分にあるという雰囲気でしたよ」

小島「僕が狙ってみたいのは、リナーテです。重賞未勝利の身ですが、京王杯SCでコンマ1秒差、前走でタイム差なしという対タワーオブロンドンの実績を考えれば、ここでも互角に戦える下地はあるはずです。とにかく、この中間の動きは絶好で、デビュー以来一番と言えるデキではないかと思いますよ」

小野智「栗東へ最終追いに跨いできた三浦騎手も“ダノンスマッシュタワーオブロンドンと僅差の競馬ができる馬ですからね。以前に乗った時にも成長してましたし、チャンスはありそうです”と、色気を持ってましたよ」

那谷「デビューからしばらくは下級条件でも冴えなくて、半兄のサトノダイヤモンドには遠く及ばないと見ていた馬だけど、5歳を迎えてから一気に地力を強化したあたりは父ステイゴールドの成長力だし、スプリンターとしての資質は母譲りだと思うよ。中間に坂路で49秒0の自己ベストをマークして“毛ヅヤがピカピカで生涯最高かもしれない”と、須貝尚師もデキの良さに胸を張っていたし、展開が噛み合えば馬券圏内もあっていいだろうな」

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