「得意ではない」ダノン陣営は渋い顔 ◎の数1位は「道悪の鬼」

優馬TM座談会
秋華賞

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ローズSで復活を果たした2歳女王に オークス先着組が迫る

デスク「今年は、桜花賞馬もオークス馬も不在ということで、メンバー唯一のGI馬であるダノンファンタジーが主役を務めることになりそうだな」

桜井「前走ローズSでのレコード勝ちで、ダノンファンタジーは改めて世代最上位の力を示したわけですし、ラスト一冠は逃せないところでしょう」

市場「着差こそ僅かクビ差でしたが、最後にねじ伏せた脚にはそれ以上の力の差を感じさせましたよね。まだ気負う面は見せますが、春と比べるとだいぶマシになったのは、前走時や今週の追い切りを見ても明らかです。メンバーが揃った上に、馬場も当日になってみないとわからないところがありますが、これ以上ない枠も引けたことで、その力を証明してくれるはずですよ」

佐藤直「ローズSで1分44秒台の決着になったのは、2009年に次ぐ2回目だったんだけど、その年の秋華賞はブエナビスタが降着になったとはいえ、結果的にローズSの上位2頭が着順を入れ替えただけだったんだよ。そういう意味でも、今年のローズSは質の高いレースだったと言えるし、完璧な試走となったダノンファンタジーが一番強いはずだな」

デスク「あとは馬場か。そこまでの悪化はないと思うけど、パンパンの良馬場は臨めない雲行きだからな」

加茂「その辺は週中の台風接近から陣営も気にしていて“道悪は得意ではないと思います”と渋い顔をしていたんやけど、それは他のライバルたちにも言えることやろ。あれだけ距離が長いと言われながら5着に踏ん張ったオークスも、評価を下げるどころか改めて底力があると実感できたし、春よりも折り合い面など成長が窺えるのなら、トリッキーな内回り2000mでも何ら不安はないんとちゃうか」

ダノンファンタジー

気性面の成長もうかがえるダノンファンタジー(撮影:日刊ゲンダイ)

デスク「とはいえ、現にオークスで先着をした馬、特に2着のカレンブーケドールには東西の本紙担当が◎で一致した形だな」

須藤「いわゆる“印が足りない”ほどの混戦だとは思いますが、桜花賞の上位入線馬を突き放して一旦先頭のシーンがあったカレンブーケドールのオークスは強い内容でしたね。自身も従来のレースレコードを上回って駆けたのならフロック視はできませんし、前走はいかにもトライアルらしい負け方。ここに向けて余力も残しているはずです」

武井「もともとが新馬戦で先週の毎日王冠を制したダノンキングリーにタイム差なしの2着だった馬。それを考えれば、オークスの2着好走も何ら不思議はなかったでしょう。追い不足での臨戦だった前走の紫苑Sは、スタート後に躓いて道中も掛かり気味での3着なら、改めて地力を示したと言えますし、ラスト4ハロンから追い出して長くいい脚を使ったオークスを思えば、直線に入って追い出された前走は仕掛けも待ち過ぎた印象を受けます」

田崎カレンブーケドールのオークス2着に関しては、超高速馬場の恩恵があった印象も否めませんけどね。少し時計のかかる馬場と、京都の内回り2000mで同じ競馬を望むのはどうかという気もするんですが…」

小桧山カレンブーケドールは、中山で勝ち鞍があるし、先行ないし好位から運ぶ器用さと自在性があるから、京都の内回りもこなせるはずだぞ。前走の1・2着馬は、ともに2勝馬でここへの出走権が欲しい馬たちだったのに対し、賞金が足りていたこの馬は次を見据えた仕上げだったからな。少なくとも、あの2頭は逆転できると見ていいよ」

守屋「前走の紫苑Sについては、皆さんもご指摘された通り、国枝師も全く悲観していなかったですし、むしろ、一旦交わされかけても盛り返すように伸びた内容を評価すべきだと思います。そこから青写真通りに本番を迎え“最終追いは最後までシッカリ伸びていたし、順当に上積みがあるね。追切り後のカイバ食いも旺盛で、現状は少し前走よりプラス体重だが、それでも輸送すれば前走くらいで出走できるはず。普段からドッシリしていて落ち着きがあるので、初の関西圏への輸送も大丈夫だろう。楽しみにしている”と結んだ師は、アパパネやアーモンドアイの時ほどではないにしろ、相当な自信もありそうでしたよ」

瀬古「僕はオークス3着馬クロノジェネシスを狙います。そのオークスのみならず、桜花賞でも3着と、ともにダノンには先着していますし、持ち前のレースセンスの良さは、この舞台でこそ生きると見ます」

デスク「ただ、これはオークスからのぶっつけとなる点がマイナス材料じゃないのかな」

加茂「陣営は、このあとのエリザベス女王杯も見据えて、あえてここからの始動を選択したわけやけど、“正直、オークスの時のデキには及ばないが、それでも8分はある”と。気性の勝ったタイプで、もともとが休み明けを苦にしない馬やし、馬体の維持に苦労していた春よりも、帰厩の段階から460キロをキープしている今回の方が調整もしやすかったように思いますわ」

板子「確かに、クロノジェネシスはぶっつけ本番でも、直前の追い切りの動きからは久々の心配はなさそうですね。オークスはタフな展開の中、正攻法の競馬での3着でしたし、それ以前のGI2戦も踏み遅れや位置取りの悪さなど、いずれも力負けとはいえない一戦でしたからね。チャンスは十分にあると思いますよ」

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