アーモンドアイとサートゥルの頂上決戦に「比べるまでもない」の声

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現役最強の座を賭けて ロードカナロア産駒が雌雄を決する

デスク「今回は出走16頭中10頭がGI馬という豪華メンバーだけど、様相としては父を同じくするアーモンドアイサートゥルナーリアの一騎打ち、という感じだな。ただ、2頭とも今年は一度負けているわけだし、絶対的な存在ではないと思うんだが」

桜井アーモンドアイの前走、安田記念については、スタート後の不利が全てと言えましたからね。むしろ、それでクビ差3着まで盛り返したあたりが実力で、現役最強の座は揺るがないと思います」

武井「安田記念は、不利のみならず、海外遠征帰り、初めての斤量56キロ、久々のマイル戦でなおかつ経験したことのない速い流れと、大小さまざまな厳しい条件の中で、それを克服してのタイム差なしなら、やはり改めて底力を示したと見るべきです。スムーズに力を発揮できさえすれば、結果は付いてくるはずですよ」

坂倉アーモンドアイレベルの馬であれば、本来は東京コースなら多少の不利があっても巻き返せるはずですが、前走については“多少の”という範疇を超えてましたからね。現状ベストと思える2000mで、まず崩れるシーンは考えにくいでしょう」

田崎「相手としては、安田記念以上のメンバーが揃っているわけですが、それでも役者が違うイメージはありますね」

デスク「その相手として、やっぱり初対決となるサートゥルナーリアとの比較が鍵となるよな」

須藤アーモンドアイは、すでに歴史的名馬と言える馬。サートゥルナーリアもその域に達する可能性を秘めてはいますが、現時点ではキャリアの差もありますからね。比べるまでもないと思います」

西田「安田記念で同様に不利を受けて競馬にならなかったダノンプレミアムも、仕切り直して強敵になるとは思いますが、実績で大きく上回るアーモンドアイを脅かすまでには至らないのではないでしょうか」

小桧山「何せ、アーモンドアイはGI5勝馬だからな。休み明けも問題ないし、絶好の2番枠を引いて、あとは力通りに走れば、敵う相手もいないだろ」

デスク「ただ、成績上は休み明けがマイナスにはならないとはいえ、今回同様にぶっつけで臨んだ秋華賞は、結果的には能力の違いを見せつけたけど、ちょっとヒヤリとした勝ち方だったよな」

板子「その秋華賞の時は、一時は出走の取り止めも検討するくらいの状況だったんですよ。それと比べると、今回は追うごとに着実に上向いていて、ここ2週で臨戦態勢は整ったと見ていいでしょう。本調子までとはいかないまでも、8分以上のデキにあれば信頼できるはずです」

守屋「国枝師も“何の不安もなく調整できたし、仕上がったよ。この馬の力を出せると思う”と話してましたが、ひと夏を越えて変わってきた点や成長などありますか?と聞いたところ“この馬はもうほぼ完成されているので、特にここがこうなったとかはないが、高いレベルで安定しているのがいいね。大丈夫、能力さえ出し切れれば結果はついてくるハズだよ”と、全く不安の声はなかったですね。1枠2番という絶好枠を引けたことについても“東京の2000mなのでまた外枠が当たったらロスが大きいので嫌だったが、これはいいね”と。昨年のパフォーマンスやドバイの走りが普通にできれば、圧勝まであっていいと思います」

アーモンドアイ

「この馬はほぼ完成されている」と師が評したアーモンドアイ(撮影:日刊ゲンダイ)

デスク「対するサートゥルナーリアは、距離こそ違うが唯一の敗戦となったダービーと同じ東京コースでどんな走りを見せるのかも鍵となるな」

目黒「今回は改めてダービーの敗因を取材したんですが、“まず皐月賞の時のダメージの回復に思いのほか手間取ったことが大きいですね。それに加えて東京競馬場に到着してから出張馬房に入ると、競馬場の外の、街の音をかなり気にしていたようで、なかなか落ち着いてくれなかったんです。当日もゲート裏でかなりテンションが上がってしまって、いつもの雰囲気で臨めず、結果としてスタートで後手を踏んでしまいましたからね”と辻野助手は振り返ってました。安田記念のアーモンドアイ同様に、力負けではないと言えますよ」

中邑サートゥルナーリアは、前走の神戸新聞杯で、そのダービーで失敗したゲートを改善しての楽勝でしたからね。春よりも成長した姿を見せた上で、この中間は運動量も増やし、角居厩舎らしい本番モードの仕上げ。距離も2000mくらいがベストと思えますし、もうワンランク上のパフォーマンスを見せてくれるのではないでしょうか」

加茂「距離適性も考えてのこととは思うけど、菊花賞よりもはるかに強敵が揃うココに使ってきたのは、陣営の自信の表れやろな。現役最強のアーモンドアイを負かして頂点へ、という意気込みを買いたいですわ」

大江原サートゥルナーリアは、精神面での成長が窺えるだけでなく、スタンド前の発走だったダービーとは違うから、ゲートで平常心を失うこともないだろ。神戸新聞杯の結果次第ではなく、テンから菊花賞に目もくれずにここに的を絞ってきたわけだからな」

田崎「とはいえ、やはりサートゥルナーリアの唯一の敗戦が東京という点で、左回りがどうなのか、という不安は拭えないですよね」

目黒「それについて、辻野助手は“右手前で走るのが好きな馬なので、コーナーは左手前、直線は右手前の左回りなら、いつも以上にいい脚を使っても不思議ないはずです”と話してましたね。実際に最終追いではスミヨン騎手に、手前の左右のバランスを確認してもらうことを重点に、乗ってもらったそうですが、感触を聞いたら“ベリー、ベリーグッド!”と巻き舌で言ってたそうです。それに“今年はこの馬に乗るために(日本に)来た”とも言ってたようですよ」

久光「兄のエピファネイアで超絶パフォーマンスを見せたスミヨン騎手を鞍上に迎える点は、純粋なファンとして心が躍る要素でもありますね。名門角居厩舎が、メンコを着用して出張馬房への対策も講じてくるのであれば、素直に信じてみたいところです」

佐藤直「さっき、須藤から“歴史的名馬”云々の発言もあったけど、サートゥルナーリアは春の時点でそうなる可能性をアピールしていた馬だからな。そして、ここがその称号を得るためのスタートとなるんじゃないかな」

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