早熟血統に一抹の不安も… 阪神JFは当確リアアメリア

佐藤直文 レース回顧
アルテミスS

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暮れも桜も主役の座へ リアアメリア

 創設以来常に多頭数の一戦となり、暮れの阪神JFや来春のクラシックのみならず、その先の活躍馬まで輩出している出世レース。今年は9頭という初めての少頭数だったが、“あの馬には敵わない”と出走を敬遠する陣営もあっただろうし、評判に違わぬ勝ちっぷりを見せた勝ち馬は、歴代の勝ち馬を上回る活躍も期待できよう。

 そのリアアメリア。少頭数らしいスローな流れの中で、序盤は、どうなってしまうのか、と思えるほど頭を上げていたが、直線を向いてからのフットワークは、まさにモノが違っていた。レースの上がりが33秒7という、完全に前有利の流れを、最後方から外を回って差し切ったのだから、これは着差以上の完勝である。母系が早熟の血統という点に一抹の不安は覚えるものの、次の阪神JFは当確レベルで、来春も、という期待をかけていいだろう。

リアアメリア

断然人気に推されたリアアメリアが差し切りV(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着サンクテュエールは、直線を向いての反応が一息で初戦土曜にエンジンのかかりが遅く、点火したのは外から勝ち馬に交わされてからだった。ただ、こちらは使われながら成長していく晩成の血統であり、着差以上にあった勝ち馬との力差もいずれは埋まる可能性がある。

 3着ビッククインバイオは、自分の競馬ができてフルに力は発揮できたし、最後も止まってはいなかった。次に繋がる走りはできたように思う。

 4着ラインオブダンスは、直線で手応えほど伸びなかったが、これは明らかに距離が延びてのタイプだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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