【有馬記念】デビュー前からエフフォーリア、タイトルホルダー2頭の歩みを知る精鋭記者のジャッジとは
28日(火)にホープフルSがあるとはいえ、やはり1年の総決算という意味では『有馬記念』は特別な意味を持つ。勝てば年度代表馬の座にグッと近づくということもあるが、ワクワク感もホープフルSとは雲泥の差があるように思う。早く昔のように有馬記念が最後という開催にならないかと、切に願っている。厩舎関係者の間でも、その意見が大多数を占めるのをここに記しておきたい。それはさておき、今年の有馬記念には担当厩舎から3頭の出走馬がおり、うち2頭がファン投票1位のエフフォーリア(美浦:鹿戸雄一厩舎)と3位のタイトルホルダー(美浦:栗田徹厩舎)なのだから、取材記者冥利につきるといっても過言ではない。(美浦TM:守屋貴光)
まずタイトルホルダーの状態については、菊花賞後は短期放牧に出され先月の26日に帰厩。12月9日に予定していた2週前追切りの馬場入りの際、放馬のアクシデントがあった。これを、自分はたまたま目にしていたのだが、騎乗者を乗せ地下馬道に入っていったあとに落馬があり、馬場(コース)に入らず厩舎に戻るほうの運動場にトコトコと歩いて登場したのだ。「ん?あれタイトルホルダーだよな?」と、カメラマンや各社の記者がザワついていた中、当馬は暴れることなく悠々と歩いていて、何事もないように他厩舎の厩務員に捕まり、そのあと自厩舎のスタッフに引っ張られていった。栗田徹師は「幸いかすり傷で済んだ」と話していたが、放馬で駆け回ったとか、他馬に乗っかかりとかも全くなかったので、馬体や精神面でのダメージはないといっていい。その後は併せ馬でキッチリ追い切られていて、調教の動きを見ても放馬の影響はなかった。
そもそもタイトルホルダーは、弥生賞のときも当該週の火曜日に軽い熱発をして、直前追い切りを木曜日にズラしたこともあったが、それでも弥生賞を勝ち切ったのだ。同馬の仕上げやすさもあるのだろうが、アクシデントにも臨機応変に対応できる厩舎力も確かだと感じている。乗り替わりになる横山和騎手も2週に渡って調教に跨り時計を出したが「さすがの乗り味」と舌を巻いていた。大外枠を引いてしまったが、却って思い切って乗れるハズ。二の脚が速いのでそう苦もなく前につけられると見ている。パンサラッサが引っ張る流れでスローはあり得ないだろう。消耗戦はタイトルホルダーにとって持って来いで、粘り込みも十分可能だろう。
しかし、それでもエフフォーリアが今年の皐月賞でタイトルホルダーにつけた3馬身差は、圧倒的というほかなかった。最後は流す余裕すらあったほどで、あの差が逆転できる可能性があるかというと…個人的にはかなり低いのではとみている。というのも、エフフォーリアが秋の天皇賞で下したコントレイルとグランアレグリアは、言うまでもなく先々の顕彰馬入り間違いなしの名馬だからだ。その2頭がまるで露払いか太刀持ちのような扱いの「横綱相撲」で、好位から堂々と押し切ったのだから驚きも大きかった。タイトルホルダーも春から成長しているが、エフフォーリアの成長力も見せつけられた。
鹿戸雄師は「いつも通り短期放牧明けだけど、ここまで何の不安もなく順調にきているし、天皇賞秋のレース前と同じくらいの体重だから太いということもない」と仕上がりには太鼓判。また「ファン投票で1位に選んでもらったし、その期待に応えないといけない。楽しみにしている」と、普段はどちらかというと温厚で強い口調で言い切ることは少ない師だが、ここまで“ハッキリと決意を表明する”ことは今までなかった。そう言わせるだけの馬でもあるし、3歳馬の代表として、ここで引退するクロノジェネシスに勝ち、来年以降も主役として君臨できる器だと思う。人気はクロノジェネシスと二分されるとだろうが、天皇賞秋と同様に単勝で大きく張ろうと考えている。
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