田崎泰TM・思い出のダービー 2004年第71回『キングカメハメハの強さにしびれた』

【優馬TM 思い出のダービー】
今までで一番しびれる強さだったのは、間違いなく2004年のキングカメハメハだ。その産駒ドゥラメンテは、父に並び、そして超える存在となるのだろうか。

優馬TM 思い出のダービー
日本ダービー

胸が高鳴るこの季節

 一年かけて予想する唯一のレースといっていいダービーだが、個人的には相性が良くない。予想も馬券もスカッと当たったのは昨年くらい。ただ、そこは競馬の祭典、毎年この時期になると胸が高鳴ってくるのだから不思議。このレースに賭ける多くの人の熱い想いが伝わってくるからだろう。

 初めて競馬場でライブ観戦したのはナリタブライアンが圧勝した1994年(ほとんどシャドーロールしか見えなかったが)。入社した年に府中の記者席で観たのが1997年(優勝馬サニーブライアン)。全国版の発売を期に栗東へ異動になり、その春に二冠馬となったのがネオユニヴァース(2003年)。どれもが思い出深いが、今までで一番しびれる強さだったのは、間違いなく2004年のキングカメハメハだ。

名手同士のガチンコ勝負

 NHKマイルカップをレースレコードで圧勝した勢いを買われ、1番人気に推されたキングカメハメハ。レースは1000m通過が57秒台のハイペース、道営の雄コスモバルクが押し出されるように4コーナーで早くも先頭に。これを追った皐月賞馬ダイワメジャーも厳しい流れに巻き込まれて伸びあぐねる。

 そこから抜け出したのが安藤勝己キングカメハメハと、これを徹底的にマークした蛯名正義ハイアーゲーム。2頭のデッドヒートかと思われたが、力の違いを見せつけるかのようにキングカメハメハがハイアーゲームを振り切り、更には猛然と追い込んできた横山典弘ハーツクライをも難なく退けてしまった。

田崎泰

筆者:


1973年大阪生まれの千葉育ち 1997年入社。栗東時計班でCウッドコースを担当。予想で最も重視するのは条件に対する適性で、馬券の基本は単勝だが、WIN5もライフワーク。西船橋に住んでいた時代、初めて競馬場で見たのがツインターボが逃げ切ったオールカマー。