川田インティに「買い時ではない」の声　一癖も二癖もある対抗馬

ダートの猛者は揃ったが　５９キロでもインティが主役を譲らず

デスク「スタッフの◎の散り様からもわかるように、一癖も二癖もある馬が揃った感を受けるけど、やっぱりメンバーで唯一の古馬ＧI勝ち馬、インティには一目置かざるを得ないな」

須藤「インティには、翌日に控えるＪＢＣクラシックという選択肢もあったかと思いますが、別定５９キロを背負うことを承知でこちらを選んだのは、中央の軽いダートが適しているという判断でしょう。その選択は正しいと思いますし、フェブラリーＳまで連勝を続けた、その圧倒的なスピードを信じたいですね」

加茂「前走の帝王賞について、陣営は“外からハナを叩かれる展開が厳しかった。自在性というか器用さがないので、ハナへ行く自分の形でないと…”とのことで、番手からの競馬では能力発揮が難しかったようやな。“夏場にゆっくりと休ませて、心身ともに成長して凄くいい状態で戻ってきた”んやったら、同型が揃うここでも自分の競馬ができるはずや。次のチャンピオンズカップに向けて、５９キロでも無様なレースはできないんとちゃうか」

田崎「僕はやっぱり、インティの５９キロには引っ掛かりますし、何より次に目標が見えている馬ですからね。少なくとも、今回が買い時ではないと思っています」

「凄くいい状態で戻ってきた」と陣営が話すインティ(左)（撮影：日刊ゲンダイ）

桜井「確かに、実績ではインティが最右翼ですが、５９キロを背負うここは伸びしろのある馬に期待してもいいんじゃないでしょうか。そういう意味で、僕はスマハマを狙います。１月の東海Ｓでは、３着とはいえインティに完敗を喫しましたが、当時からの成長は前走のレコード勝ちが示す通りですし、３キロの斤量差があれば逆転も可能と見ます」

瀬古「スマハマの前走は、同じ週に他に２つのレコードも出たほどの特殊な高速馬場だったとはいえ、ダート界に新星誕生を予感させる走りでした。鍵は以来の３ヶ月半ぶりとなる点ですが、順調に乗り込まれた上に、２週連続で坂路の自己ベストを更新していますし、特に今週は馬なりでマークしたあたり、久々の不安は感じませんね。インティにちぎられた東海Ｓは、同じ休み明けでも骨折明けだっただけに、当時とは順調度も違いますよ」

中邑「なんかインティが一番強いことを前提とした話の流れになってますが、僕は直接対決のないウェスタールンドの実力が見劣らないと思っています。昨年のチャンピオンズＣで２着した時の上がりは、３４秒４という良馬場ダートではとてつもない数字です。落鉄とレース後に骨折が判明した前走は全く度外視できますし、久々も苦にしないタイプですからね。加えて、鞍上スミヨンなら、いい仕事をしてくれそうです」

目黒「確かに前走の敗因については中邑さんの言う通りなんですが、“骨折が難しい箇所だったこともあって放牧先でも慎重に調整してきたからね。やれば動くタイプなので、稽古でもある程度の時計や動きはしているけど、まだ中身の面がどうかだろう。今回に関しては地力に期待、次につながる競馬を期待という感じかな”と、普段は強気な佐々木晶師のトーンが控え目だった点は気になりますね」

デスク「ここまで名前の挙がった馬はみんな休み明け。一緒くたに考えることはできないけど、俺が気になるアナザートゥルースもまた、そうなんだよな」

板子「もともと夏場は良くないタイプで休養させていましたが、陣営いわく“帰厩直後は状態面で物足りなかった”のが、追い切りを消化するごとに着実に良化し、絶好調だったアンタレスＳ勝ち当時と比べて８分くらいには戻っているそうです」

デスク「８分か…。ただ、たぶん状態のピークを過ぎていた前走の平安Ｓも、相当なメンバーが揃っていた中でよく走ったと思うんだが」

板子「前走に関しては、速い流れを馬群の中で運んで自身の脚は使っていましたが、決め手比べで見劣った形。ただ、片側だけブリンカーを着用するようになってからは、モタれる面も改善されて、勝負どころでの反応が良くなってますからね。今回もまた強い相手が揃ってますが、展開次第ではチャンスもあると思いますよ」