外国産馬が激増? TPP参加で日本の競馬はどう変わる

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エンパイアメーカー産駒にみる日米の繁殖レベル

 エンパイアメーカーといえば、当初はアメリカで繋養されていた種牡馬だが、2011年より日本で供用されている人気種牡馬。同馬のアメリカ時代の産駒と日本での産駒を比較すると以下のようになる。

外国産エンパイアメーカー産駒(持込馬を含む)
23頭
獲得賞金 77,845万円
1頭当たり 3,384万円

国内産エンパイアメーカー産駒(国内産初年度産駒は現3歳)
117頭
獲得賞金 25,446万円
1頭当たり 217万円

3歳春終了時点の外国産エンパイアメーカー産駒(持込馬を含む)
19頭
獲得賞金 13,907万円
1頭当たり 731万円

 質のいい産駒を厳選して輸入しているのだから、外国産馬時代の方が成績が良いのは当たり前である。ただ、現3歳世代にOP馬はまだおらず、活躍頭は若葉賞2着で皐月賞に出走するワンダーアツレッタといったところ。繁殖牝馬の質ということもあるだろうが、日米での繁殖牝馬のレベルの差も決して無関係ではないように思う。

 そう考えると、アメリカや欧州各国からの輸入に関しては、関税の撤廃云々ではない所に根源があるのだろう。現在、競走馬の輸入の大部分はアメリカからのものであり、それは関税の存在で揺らぐようなものではないと言える。