久々を埋めて余った能力差 絶対王者モーリスが次なるステージへ

佐藤直文 レース回顧
マイルCS東京スポーツ杯2歳S

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驚異の上がり32秒9 スマートオーディン 【東京スポーツ杯2歳S】

 過去の勝ち馬を眺めてみても、クラシックやその先のGI戦線に繋がることがよくわかるレース。今年も頭数以上に逸材が揃った一戦で、この組から大物が複数育つ可能性も十分にある。

 1000m通過62秒4という超スローの流れにもかかわらず、スマートオーディンは後方でジックリと構える折り合い重視のレース運びで、おそらく武豊騎手と陣営の間に『このメンバーでもキレ負けはしない』という共通認識があったのではないだろうか。実際に、上がり3ハロンは32秒9という破格の瞬発力を見せたものであり、来春への期待が大きく膨らむ勝利であった。

スマートオーディン

上がり3ハロン32秒9のキレ味で東スポ杯を制したスマートオーディン(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着プロディガルサンは、初戦が7分、2戦目が8分、そして今回が9分程度のデキ。勝ち馬にはキレ負けした形だが、まだまだ良くなる余地を残している馬だけに、これまた今後に期待が持てる。

 マイネルラフレシアは、適度に上がりのかかる形が理想で、今日のような瞬発力勝負は合わない馬。それでも、持ち前の勝負根性とセンスの良さはアピールしたと言える3着だ。距離はもっと延びても良さそうで、戦績ほど人気にならないタイプでもあるだけに、今後もマークが必要だろう。

 キラージョーは、自分の形で運び、ペースも味方に付けて見せ場十分の粘りであったが、現状では力不足と言える4着。

 1番人気に支持されたロスカボスは、折り合って運べていたし、直線でも手応えには余裕があった。にもかかわらず、伸びなかった原因は現時点で不明だが、過去2戦ともに34秒台後半の上がりしか使えていなかったことも確かだ。前走は数字以上にインパクトがある勝ちっぷりであり、同様にこのレースで掲示板を外した馬の中から大物が出現した例もあるのだが、それにしてもここまで負けるとは…。

忘れずに買おう 次走の注目馬

 今週も馬場TMのダブルセレクトで。まず、東京月曜5R、5着テラノヴァ。まだ仕上がり途上と思える体つきだったが、それでもなかなかの好馬体が目立った。今回は直線でも立て直すロスなどがあり、すぐに勝ちあがれるはず。イメージ的にはフィリーズレビューあたりで勝負になりそうだ。

 2鞍目は、東京月曜7R、7着デストリーライズ。前走あたりもいい末脚は見せていたが、今回は上がり最速の数字をマーク。前残りの流れで掲示板には届かなかったが、流れさえ向けば馬券圏内も可能のレベルだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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