菊の走りは本物だったアリストテレス “対照的”な競馬で地力発揮

佐藤直文 レース回顧
アメリカJCC

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春の盾へ向け視界良好 アリストテレス

 独特のコース形態である中山芝外回り2200mは、長くいい脚が要求され、距離以上のスタミナが問われる。しかも、今回のような不良馬場ではタフさや底力もより必要となったはずで、上位を占めた馬たちはその資質の高さを証明したように思う。

 アリストテレスは、ゆったりとした流れとなった序盤は馬群の中で脚を溜め、3コーナー過ぎの勝負どころから馬場のいい外目を通って進出する理想的な競馬。さすがはルメール騎手、といったレース運びだったが、コントレイルを徹底マークした菊花賞とは対照的に、今回は自らが他馬の目標となりながら後続の追撃を抑えたことは、地力の成せる業だったろう。菊花賞以来の3ヶ月ぶりというローテーションは、この時期としてはけっして楽なものではなく、実際に磐石と言える態勢ではなかったことを考えても、今後のGI戦線へ向けて価値のある勝利だった。

アリストテレス

1番人気の明け4歳馬アリストテレス(左)が重賞初V

 2着ヴェルトライゼンデは、これまた菊花賞以来であったが、こちらはしっかりと仕上げてきた印象。道中から勝ち馬をマークして、4コーナーで外に並びかけて行ったものの、その差は最後まで詰められなかった。ただ、底力を示すには十分な内容で今後に繋がる走りはできたように思う。

 3着ラストドラフトは、同じように勝ち馬をマークする形で、直線でもよく脚を伸ばしたもの。渋った馬場への適性を示したという点でも収穫があったと言えるが、今後は長距離路線でもやれそうだ。

 4着ステイフーリッシュは、好位で流れに乗って運び、4コーナーでは勝ち馬に外から早目に交わされたが、そこから手応え以上の粘りを見せ、コース巧者ぶりはアピールしていた。

 ウインマリリンは、自分の型で競馬ができていたが、底力が問われる馬場となったことで、牡馬に力負けした形。サトノフラッグは、勝負どころで最後方から一気に進出して格好は付けたものの、直線ではもう脚がなかった。馬場が敗因というよりも、いい脚をさほど長くは使えない印象で、直線が平坦のコースの方がいいのかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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