優馬編集長日誌 1月28日号「決め手」

優馬編集長日誌
根岸S

決め手がなくては話にならない

 31日(日曜)に東京で行われる根岸ステークスは、決め手がモノをいいそうだ。直線が長いコースに加えて、1200mで勝ち鞍のある馬も多く出走。流れが緩くなる可能性も低いわけで、過去10年の勝ち馬をみても上がり3F最速の馬が4頭、2番目の馬が4頭。残る2頭も3番目に速かった馬だった。前10年の勝ち馬すべてが上がり3F=1~3位以内だから、決め手がなくては話にならない? 馬券対象になった3着以内の30頭で調べても、上がり3Fが1~3位だった馬は20頭。やはり決め手は重要だ。

 私が計算しているUK値においても上がり3Fは重要項目。根岸ステークスの登録馬において前5走以内に高UK値をマークしている馬を抜き出してみたところ、該当馬6頭のうち4頭が上がり3F最速をマークした時に高UK値を記録していた。その4頭とは次の通り。

アンズチャン  (2走前、5走前)
マルカフリート (2走前)
モーニン    (2走前、5走前)
レーザーバレット(前走、3走前)

この5頭は外せない

 アンズチャンは これまでに上がり3F最速が13回。16走して13回…8割超が上がり3F最速は何とも凄い。上がり3F最速ではなかった3走も2位か3位。上がり重視で考えるのなら馬券から外しようのない存在だ。

 マルカフリートは上がり3F最速が11回。今年で10歳の高齢だけに衰えが心配されるが、前3走が全て上がり3F最速。高UK値を記録した2走前は久々・トップハンデで上がり3F最速をマークしている。当時の舞台は今回と同じ東京1400m、本当に10歳か勘繰りたくなるほど近走内容は充実。

 モーニンの上がり3F最速は3回。アンズチャンやマルカフリートに比べると、ずいぶん少ない。だが、この馬は まだ5走。半分以上のレースで上がり3F最速は立派なもの。ここまで全て3着以内、馬券対象になっている安定感も光る。

 レーザーバレットは日本のダートでの上がり3F最速が7回。日本の…としたのは、海外のレースは参考外としたため。ちなみに前走と3走前の上がり3F最速は地方競馬・交流重賞での記録だが、それ以外の上がり3F最速の5走はJRAでのもの。決して地方競馬だけというわけでもない。

 UK値にこだわらず、上がり3F最速だけに目を向ければサクラエールも注目の存在。ダート10走のうち6走が上がり3F最速で、ダートの上がり3F最速率(上がり最速の回数/出走数)は6割。これは根岸ステークスの登録メンバーにおいてアンズチャンに次いで2位タイとなる数字だ。登録馬の中でダートでの上がり3F最速率が50%を超えるのは、アンズチャンとモーニン、そしてサクラエールの3頭だけである。

モーニン

UK値からもその素質の高さが窺い知れるモーニン(写真は昨年の武蔵野S追い切り時、撮影:日刊ゲンダイ)

 

それでは最後に先週の高UK値馬を

上田一幸

筆者:


1967年、滋賀県生まれ。大学卒業と同時に入社し、一貫して編集畑を歩む。予想も馬券も徹底した穴狙い。この仕事に携わる以上、馬券購入は義務であると考え、入社以来、馬券を休んだ日はない。現『優馬』編集長。

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