何が変わった? ドゥラメンテ 33秒台の末脚を生んだ新しい中山の芝

【馬声人語】
昨年の馬場改修工事によって中山の芝コースは明らかにこれまでとは違ってきた。開催後半でも馬場の傷みはそれほど酷くならなかったのである。今回はその理由とレースがどう変わったのかを考えてみたい。

馬声人語

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進化した中山の芝コース

 例年、皐月賞の頃には中山コースの芝は傷みが進み、各馬が内を避けたりしていたが、今年は馬場がよく維持されていた。中山競馬場は昨年にスタンドの改修工事を行ったが、それと同時に馬場の改修工事も行っている。簡単に言えばその成果が出たということである。

 具体的な工事の内容としては2つ。単粒砕石層という水はけの良くなる層を路盤の下に配置したこと、暗渠管という排水用のパイプを水はけの悪い部分に配置したことである。これによって芝馬場の水はけが良くなり、今までよりも芝の消耗を抑えることが出来るようになった。先の皐月賞もそうだが、ダービー卿CTやニュージーランドTも降雨の影響を受けたにもかかわらず、走破タイムは速かった。

改修後は上がりが速くなる傾向?

 実際、馬場が改修されて時計的にはどうなったのかという話の前に、今年の天候について昨年、そして近年でもっとも馬場が悪くなったであろう2012年(ゴールドシップが皐月賞を勝った年)とで比較してみたい。(2015年の統計は4月21日までのもの)

総雨量 平均気温 総日照時間
2015年
(2014年12月~
2015年4月)
455mm 7.7℃ 816時間
2014年
(2013年12月~
2014年4月)
454mm 7.8℃ 928時間
2012年
(2011年12月~
2012年4月)
463mm 6.8℃ 829時間

 これを見る限り、昨年並みの気象条件であることは確かである。やや4月21日時点での降雨量は多いものの、2012年よりは気象条件は良い。今期間中に重馬場になったケースは一度もなかった(もっとも昨年の期間中も1レースのみではあるが)。ちなみに、2011年12月~2012年4月の期間では芝で行われた148レースのうち、重~不良だったのは実に57レースにも及ぶ。これでは馬場が悪化するのも当然だろう。

 時計的な面について考えると、良馬場での最速勝ちタイムは昨年に比べて軒並み今年の方が速くなったし、特に上がり3Fの平均タイムはどの距離でも0.5秒ほど速くなっている。やはり、直線の馬場状態が良い分、時計も出やすいのだろう。ドゥラメンテがマークした上がり3F33.9秒は出色であり、当日の他の芝レースでも多くの馬が上がり3Fで34秒を切っていた。これが昨年の同日では1000万の芝1200m戦で2頭いたのみであるから、いかに馬場状態がキープできているかがわかる。

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