優馬編集長日誌 3月3日号「トライアル」

優馬編集長日誌
弥生賞チューリップ賞

本番と同舞台のトライアル

 今週は土曜に阪神競馬場で桜花賞トライアルのチューリップ賞(1~3着馬に桜花賞の優先出走権)、日曜に中山競馬場で皐月賞トライアルの弥生賞(1~3着馬に皐月賞の優先出走権)が行われる。チューリップ賞は本番・桜花賞と同舞台の阪神外回り1600m。同様に弥生賞も、本番・皐月賞と同舞台の中山内回り2000m。本番への出走権を狙って出走してくる馬もいれば、本番への試走も兼ねた実績馬もいるだろう。3着以内が欲しい前者は、もちろん いい加減な仕上げでは挑んでこないはず。その大方は賞金の少ない馬だが、このグループからはキャリアの多い馬より少ない馬に注目すべきだろう。数を走って賞金が少ない馬より 出走機会が少なくて賞金が足りていない馬の方が 未来があるように思うのだ。

 ただ、それらを阻むのが本番への試走も念頭において出走してくる実績馬。確かに こちらのグループは本番へ出走できるだけの賞金があるため、何がなんでも3着以内ではない。先のグループに比べれば ここでの勝負度合いは高くないといえるが、それだけの賞金を ここまでに稼いでいるのだから ほとんどが実力馬。デビューが遅れたために賞金不足となっている素質馬などの芽を摘むのも一冠目の桜花賞、皐月賞を制するためには悪い話じゃない。遅れてきた大物か、それとも すでに重賞などで結果を出している実績馬か。馬券の妙味は前者にありそうだが。

エアスピネル

賞金十分のエアスピネルはどのような競馬をしてくるか(撮影:日刊ゲンダイ)

上田一幸

筆者:


1967年、滋賀県生まれ。大学卒業と同時に入社し、一貫して編集畑を歩む。予想も馬券も徹底した穴狙い。この仕事に携わる以上、馬券購入は義務であると考え、入社以来、馬券を休んだ日はない。現『優馬』編集長。