【アルゼンチン共和国杯回顧】強い競馬ブレークアップ 人気テーオーロイヤルらは「状態ひと息?」

佐藤直文 レース回顧
アルゼンチン共和国杯

アクシデントも巧みに回避して ブレークアップ

 直線を向いたところでキングオブドラゴンが内に逃避してラチに接触するアクシデント。逃げていた馬だけに後続の多くの馬が不利を受け、上位入線組のいずれの馬たちも少なからずその影響を受けたが、勝ち馬は巧く回避できていた。

 そのブレークアップ。以前は逃げの手に出ることが多かった馬だが、前走では好位に控えて差す形の競馬ができた。今回もまた離し逃げの展開の中で、絶好とも言える好位の3番手で流れに乗り、残り1ハロンで先頭に立つと最後までしっかりと脚を使って後続の追撃を凌ぎ切った。田辺騎手の冷静な判断で前述したアクシデントを回避できたことも大きかったが、内容的にも強い競馬であり、状態面も噛み合っての勝利だった。

ブレークアップ

ノヴェリスト産駒の上がり馬ブレークアップが重賞初挑戦で初制覇

 2着ハーツイストワールは、アクシデントにより完全にブレーキがかかる不利を受けたが、そこから巧く内に潜り込んで2着争いを制したもの。コース相性の良さも生かしたと言えるが、6歳を迎えて完全に本格化した形だ。

 3着ヒートオンビートは、今回もまた待望の重賞初制覇がお預けとなってしまったが、最後の叩き合いでは地力の高さを示す伸びを見せた。やはり2400~2500mくらいの距離が最も合っている馬だ。

 4着カントルは、道中は勝ち馬の直後のポジションで運び、直線でも見せ場は十分に作った。最後は力負けしたものの、今後に繋がる走りができたように思う。

 5着ラストドラフトは、直線半ばで一瞬は外から突き抜けるかの脚を見せたが、最後に鈍ったあたりは距離かもしれない。

 テーオーロイヤルは、不利を受けたとはいえ、ロスのない立ち回りができていた割にはピリッとした脚が使えなかった。久々を一叩きされていたがまだ状態が本物ではなかったか。キラーアビリティは、道中での走りのリズムが悪く、追われての反応も一息。プラス10キロの馬体は成長分を考えるとそこまで太くはなかったと思えたが、まだ中身ができていなかったのだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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