エイシンヒカリ、昨秋の大斜行は“たまたま” エプソムC&マーメイドS座談会
【激論!優馬TM座談会】
6週連続での春GIシリーズも終了し、上半期のビッグレースは2週後の宝塚記念を残すのみとなった。今週は、東京で伝統の重賞エプソムカップ、阪神で荒れる牝馬のハンデ重賞マーメイドステークスが行われるが、GIと同じモチベーションで優馬TM陣が激論を戦わせる。
上位4頭の争いか? エプソムカップ
デスク「まずは東京のエプソムカップだ。昔は、春の東京の最終週にハンデ戦として組まれていて、よく荒れたイメージもあったが、別定戦になってからは、比較的堅く収まる傾向になったな。ここはTM陣の重い印が集中している4頭の競馬と見ていいんだろうか」
武井「中でもサトノアラジンが抜けた存在だと思いますね。気性面の難しさが顕在化して出世の妨げとなっていた馬ですが、大きな不利のあった菊花賞でも3着とはコンマ2秒差。ルメール騎手とのコンビで軌道に乗ったなら、重賞でも、と言ったところでしょう」
庄司「前走にしても、不利な大外枠から徐々に馬込みに入れてスパっと抜け出す圧巻の内容でしたからね。馬場差はあるとはいえ、このエプソムカップのレースレコードを大きく上回る時計ですから、もう本物と見ていいはずです」
久光「折り合い面で進境を見せていますし、エイシンヒカリが逃げる流れなら、今回もスムーズな競馬ができるはずですよね。そもそも力の差がある組み合わせで、伏兵の入り込む余地はないと思っているので、僕もデスクが言うように上位4頭の競馬と見ています」
守屋「確か、サトノアラジンが2歳の新馬を勝った時に“Yahoo!ニュース”で勝ちっぷりが取り上げられたほど鮮烈だったんですよね。当時は、キズナやアユサンの活躍で“父ディープインパクト×母の父ストームキャット”が取り沙汰されていましたが、今年も同じ配合のリアルスティールがクラシックを賑わせましたし、この馬も続くはずですよ」
デスク「なんだ守屋、伊利かと思ったぞ。って、その伊利も同じ本命なんだな」
伊利「血統論は先に言われてしまったので割愛しますが、2走前の中山でマークした上がり32秒7の数字は、モーリスのダービー卿チャレンジトロフィーをコンマ3秒も上回るものです。脚力は優にGI級で、GIIIで56キロならまず負けられないでしょう」
那谷「陣営も2歳の時から“クラシック級”と絶賛していたからな。3歳時には結果を出せなかったけど、姉のラキシスと同じように古馬になって本格化した形だよ。『秋は天皇賞へ』と、池江寿師も意気込んでいるし、ここは通過点と見ていいだろうな」
デスク「ペースメーカーとして名前の挙がったエイシンヒカリだが、“サイレンススズカ級”の評価が正しければ、逃げ切りも可能だと思うんだが…」
佐藤直「さっきの昔話じゃないけど、以前ならこの時期は馬場も荒れて差し追込有利になっていたのが、馬場の管理技術が進んだ今はまだ内枠や先行馬が有利な状態を保っているからな。前走は久々で8分のデキ、ジョッキーも初めてで手探りだったはずだし、価値のある勝利だったと思うぞ」
大江原「理想は逃げる形かもしれないが、揉まれなければ番手からでも競馬ができるセンスはあると思うな」
清野「ここまで7戦全て1番人気に支持されてきた馬ですからね。唯一敗れた2走前も能力的な底を見せたわけではないですし、この馬の逃げに絡んでいく馬もいないんじゃないですか」
デスク「ただ、気になるのが昨年の秋、この東京での大斜行だよな」
菅「あれは陣営に言わせると回りの問題ではなく“たまたま”という判断なんや。普段の調教ではむしろ左回りの方がスムーズに走れる、ちゅうことやから、心配はしていない様子やね」
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