ワグネリアン&ステルヴィオの二強ムード 「たけし命名馬」は?

牡馬クラシック開幕戦の皐月賞は、弥生賞を制して4戦4勝となった2歳王者ダノンプレミアムの直前回避により、一転しての戦国ムードに。混戦を制して一冠目をもぎ取るのは果たしてどの馬か、優馬TM陣が徹底討論。

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ダノン不在でチャンス到来 人気2頭のTM評価は

デスク「登録の段階でフルゲート割れしていたのは、ダノンプレミアムに対して白旗を挙げた陣営もいたからだと思うが、そのダノンの回避で風雲急を告げるムードになったな」

武井「弥生賞で土が付いたワグネリアンは、ダノンには完敗だったとはいえ、折り合いに気を遣う余り、スローペースでの位置取りの差が大きかったことは確かですね。まだ追い出してからの加速に課題が残るとはいえ、本番を前にして同じ舞台で脚を測ることができたのも大きなアドバンテージとなるでしょう。加えて、降雨予報がある中で、道悪で圧勝実績があるのもプラス材料です」

中邑「弥生賞での上がり3ハロンは、ダノンをコンマ4秒も上回っていましたし、負けて評価の下がる内容ではなかったと思います。イレ込んでいた前走よりも当日に落ち着きが出れば、さらに期待は高まるはずですよ」

須藤「僕は仮にダノンプレミアムが出走していたとしても、ペースの上がる本番ではワグネリアンが逆転できると見ていました。メンバーの質を考えても、スプリングS組より弥生賞組の方がはるかに上でしたし、迷わず◎です」

加茂「今回は行きたい馬も揃っているし、ワグネリアンにとっては理想の流れとなるはず。決め手を素直に信頼する手やろ」

デスク「ただ、中邑も指摘したように、前走のような激しいイレ込みは不安材料だよな」

那谷「その前走は“いつになくイレ込みがキツくてゲートでも暴れるほど。『今回はもうアカン、回ってくるだけになるかも』と思ったくらい”と、福永騎手も振り返っていたけど、“あの精神状態でも走れたんだから、伸びしろは大きいと思う。レース後にもガタッと来なかったし、一週前の追い切りもフォームが更に良くなって、一完歩目の走りからして違っていた”と、今回の状態を絶賛していたんだ。俺も、ダノンが出走していても◎を譲る気がなかったけど、普段は隣の馬房のジュンヴァルロと一緒に輸送したことで、落ち着いた状態で臨めるんじゃないかと思うぞ」

広田「担当の藤本助手も“叩いた効果でだいぶ落ち着きが出てきた。この中間の調教でもジョッキーが巧くコントロールできるように工夫できた”とのことで、いい精神状態も保てている様子でしたね。友道師も“勝負どころで少しエンジンの掛かりが遅いタイプだけに、ベストは東京コースだろうが、ある程度行きたい馬が揃ったここなら、この馬の末脚を存分に生かせるはず”と、自信の表情を見せてましたよ」

守屋「エンジンの掛かりが遅いとはいえ、同じ“ダノンにしか負けていない”ステルヴィオと比べると、ワグネリアンの方が加速も早いと思いますね。正直、皐月賞はダノン、ダービーはワグネリアンと思っていたので消去法の◎なんですが、いい意味でも悪い意味でも福永騎手ならここでも連は外さないのでは…との見立てです。末脚比べなら後ろから差されることはまずないと思わせる脚力をデビュー時から見せ付けてきたわけですし、何より最大の強敵のダノンがいないなら、ですよね」

佐藤直「俺はちょっと違ったアプローチをしてみたんだが、近年の皐月賞で共同通信杯の好走組がよく来てるのは、“府中の千八、展開いらず”という格言もあるように、能力がハッキリと表れる舞台ゆえなんだよな。当然、今年の共同通信杯組もマークすべきだけど、同じ舞台でそれ以上の時計と内容だったのが昨秋の東スポ杯。このレースでは、前半1000mが60秒を切る流れで制したコディーノ、イスラボニータがいずれも皐月賞で好走しているんだけど、58秒5の激流を制して圧勝したワグネリアンの強さに疑いの余地はないと思うぞ」

ワグネリアン

ライバル回避で重い印が集中しているワグネリアン(撮影:日刊ゲンダイ)

デスク「まあ、みんなワグネリアンには◎でなくても重い印を打っているわけなんだが、唯一△に落としたコジの真意を聞いてみたいな」

小島「僕がワグネリアンに対して感じる不安は、多頭数の競馬を経験していないところですね。しかも内枠を引いたことで、どう捌くのか。杞憂に終わる可能性ももちろんありますが、初めてのモマれる競馬で力を発揮できず…というシーンも浮かびますよ」

桜井「そういう経験値でも信頼できるのは、ステルヴィオですよね。世代の頂点に立っていたダノンプレミアムに次ぐ存在は、この馬だと思いますよ」

小桧山ステルヴィオは、コーナー4つの競馬で2戦2勝なら、イメージほど不器用ではないんだよな。初の2000mでも今までのレースぶりなら心配は無用だろ。重馬場だった札幌のコスモス賞も、着差は僅かだったけど、2着馬が来れば来るほど伸びていたし、道悪でもおそらく心配はないよ」

小野智「スプリングSの勝利は、弥生賞に比べて相手も軽かったとはいえ、4コーナー手前から早目に動いたレースぶりが進化したように思えましたね。テンにモッサリしてエンジンの掛かりが遅い馬ですから、距離延長の2000mもむしろプラスに出るのではないでしょうか」

西田「陣営も、前走のレースぶりには確かな成長を感じ取ったようですし、心配された反動も“全くありません”と、自信のコメントを貰いました。それより、目の上のタンコブだったダノン回避の報を受けて“ショックでした。逆もありうることなので、チャンスだとは思っていません。その分、こちらは納得の行く競馬をするだけです”と、木村師は浮かれる様子もなく、ライバルの回避を重く受け止めた上で意気込みを語っていたのが印象に残りました。“せっかくなら、きれいな馬場で走らせたい”とのことでしたが、やはり道悪実績があるのは強味だと思いますね」

デスク「これまた、みんな重い印を打っている中で、久光と田崎が“抜け”だな」

田崎「その理由については、先週の桜花賞で“アーモンドアイ抜け”の僕に語る資格はないので、久光君、お願いします」

久光ステルヴィオは、多頭数の競馬こそ経験していますが、いわゆる“ヨーイドン”の競馬ばかりという点で、展開が流れた中での2000mに不安を禁じ得ませんね。外枠もけっして歓迎とは思えず、思い切って“抜け”にした次第です。個人的には、ここで負けてNHKマイルCへ、というのが理想なんじゃないかと…」

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