2戦2勝馬を超える「取材感触」 秘めたる能力高いその馬とは

優馬TM座談会
小倉2歳S

2戦2勝馬を素直に信頼すべきか それとも伸びしろ期待で狙うべきか

デスク「ここは難しいメンバーだと思うんだ。何しろ抜けた存在、と思える馬がいないからなぁ…」

桜井「何を寝惚けたことを言ってるんですか、デスク。2戦2勝のシングルアップがいるじゃないですか。過去2戦ともセンスを感じさせるレースぶりでしたし、馬体重が示す通りの余裕残しだった前走を叩いて、状態も上向いてますからね」

須藤「2戦とも着差以上の楽勝で底を見せていないのに加えて、初戦が控える競馬で、前走が先手を取ってと、どんな競馬でもこなせるタイプだけに、ここは素直に信頼すべきでしょう」

加茂「前走で小回りコースにしっかりと対応できたように、とにかくレースが上手なんやけど、陣営によると“まだまだ装鞍所などで幼い仕草を見せたりする面がある”とのこと。それでもレースに行くと能力をキッチリ出し切るあたりは、賢い馬なんやろな。ただ、取材の感触でそれ以上と思えたのがファンタジストなんや。初戦がノーステッキでの完勝で、梅田智師も“最後は詰め寄られたが、着差以上に余裕があった”とのこと。こちらは普段は大人し過ぎるくらいノンビリしていても、実戦でスイッチが入るタイプで“相変わらず自分から走ろうとする気はないけど、追うとビックリくらい動く。潜在能力は相当高い”と、調整役の前原助手も評価してるんや」

持木ファンタジストの初戦は、2・3着馬も次走で勝ち上がったほどのハイレベルな一戦でしたし、直線でフラつきながらもスピードで押し切った内容は評価できますね。ここ2週続けて、坂路でラスト11秒台をマークしているあたり、かなりの仕上りの良さも感じますよ」

ファンタジスト

坂路を好タイムで駆け上がったファンタジスト(撮影:日刊ゲンダイ)

田崎「僕は、素直に持ち時計一番のルチアーナミノルを信頼します。まだ若さを残している現状ですが、それだけに良化の余地も十分ありますし、初戦のように控える競馬もできることは大きな強味になると思います」

福田「何しろ、前走の1分8秒2はフェニックス賞よりもコンマ2秒速いんやから大したモンや。中井助手も“腰が甘いし、一頭になるとフワフワしている。素質だけで走っている”と言うてるように、心身ともに2歳馬らしい若さが目立つことは確かやけど、伸びしろは大きい馬やで。ちなみに、おととしの勝ち馬レーヌミノルも、同じ中井助手の持ち乗りで、馬主も鞍上も同じとくれば、結果も同じになるんとちゃうか」

中邑「僕はセプタリアンを◎としました。前走は道中抑え切れない手応えでハナに立ち、ゴール前は流す余裕を見せての楽勝でしたが、重い馬場状態を考えれば時計も上々のレベルで、かなり奥を感じさせる内容だったと思います。初戦こそ2着に敗れましたが、スムーズさを欠く場面があって、完全に脚を余したもの。馬体面から3戦目でも十分な上積みが見込めますし、折り合い面を考えればペースが速くなった方がレースもしやすいはずです」

吉田セプタリアンの初戦は、最初のコーナーに入るまでゴチャ付く展開で、頭を上げて制御しにくい状態だったもの。最後はかなりいい脚を使ってましたが、個人的には全く力を出し切れなかったのでは、と思ってます。2戦目も、直線半ばからはほぼ流していたにもかかわらず、後続との差がみるみる開いたあたり、相当な器なんやないかと」

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