本紙担当◎はサートゥルにあらず 「仕上り万全」の声に首を傾げる記者も

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3戦3勝サートゥルナーリアを脅かすのは 同じく無傷のダノンキングリー

デスク「人気は“怪物”サートゥルナーリアが頭一つ抜けた形となりそうだが、ぶっつけとなる点も、先週の桜花賞の結果をふまえれば問題なしと見ていいんだろうか」

板子「確かに問題はそこだけだと思いますが、1週前追い切りの時点で仕上り切った体つきでしたし、デキに関して不安はなさそうですね」

馬場「攻め馬の動きは、まさに“モノが違う”という感じでしたよね。まだ底を見せていない上に、舞台も経験済み。鞍上が替わるとはいえ、ルメール騎手なら何の不安もないでしょう」

大江原サートゥルナーリアの緩急自在に動ける機動力は相当なレベルだよ。前走のホープフルSだって着差以上の強さだったし、少なくとも2000mまでなら、この馬の能力が抜けていると思うぞ」

須藤「唯一の不安があるとすれば、ホープフルSの2着以下の馬たちが、その後もうひとつで、レースのレベルが疑問視されるところですが、それでもこの馬だけは別格と見ていいでしょうね」

那谷「確かに、走破時計や上がりでビックリするほどの数字を残しているわけではないし、強いて挙げれば、過去3戦とも本気で追われていないのにラスト1ハロンで11秒台をマークしているくらいなんだけど、ちょっと仕掛けただけで俊敏に反応するあたり、相手が強くなって本気で追われれば、もう一枚上のキレ味を見せてくれると思うんだ。同じロードカナロア産駒のアーモンドアイに勝るとも劣らずの器かもしれないぞ」

佐藤直「とにかくうるさかった上のエピファネイアやリオンディーズとは違って、サートゥルナーリアには落ち着きがあるので、変な心配も要らないだろう。普通に走ればまず負けない、それくらいの馬だな」

デスク「さっきから首を傾げているコジは、何か言いたいことがありそうだな」

小島サートゥルナーリアがぶっつけで臨むというのは、明らかにダービーが最大の目標だからこそであり、皐月賞を叩き台に使うとは贅沢な話ですが、僕はみなさんが言うほど仕上げてきてはいないような気がします。周囲が騒ぐほど、まだアーモンドアイの域には達していないと思いますしね。ただ、ここで負けてもらって、人気を落としたダービーではガッツリ勝負をしてみたいですが」

目黒「ぶっつけになる点については、“オーナーサイドとの協議で、中山のこの舞台で結果を出しているし前哨戦を使う必要もないだろう、と、早い段階で春は皐月賞からということに決まりました。栗東に戻ってからもしっかり調整できていますし、2週連続でルメール騎手に感触を掴んでもらっているので態勢は整ったと思います”という、辻野助手の言葉からも抜かりのない仕上げと判断していいのではないでしょうか」

デスク「だったら、陣営に、不安のカケラもないということか」

目黒「まぁ、辻野助手にはあえて不安材料も挙げてもらい“新馬戦が9頭立て、2戦目7頭立て、前走も13頭立てでしたから、初めてのフルゲート18頭がどうかでしょう”という言葉を引き出せたんですが、それでも“馬込みを苦にしませんし、兄達と比較しても操縦性がかなりいいですから、そういう課題もクリアしてくれるはずです”とのこと。調教師引退まで2年を切った角居師にとっても、最後の超大物になるかもしれませんね」

サートゥルナーリア

攻め馬の動きは素晴らしかったサートゥルナーリア(手前)(撮影:日刊ゲンダイ)

デスク「ただ、本紙武井は、同じく3戦3勝のダノンキングリーに◎ときたか」

武井ダノンキングリーは、1000m通過が57秒6という速い流れだったひいらぎ賞を悠々と抜け出し、続く共同通信杯では一転して61秒5の緩い流れの中で、マイペースに持ち込んだ無敗の最優秀2歳牡馬を差し切っています。ホープフルSをほぼ馬なりで勝ったサートゥルナーリアも強いですが、この馬もまた一戦ごとに大きな進歩を見せてGIレベルの走りを見せており、今回もまた前走同様にアドマイヤマーズを目標にした走りができる枠順も歓迎材料でしょうね」

守屋ダノンキングリーのここ2戦は、まだ手応えに余裕を残しながら上がりも走破時計も優秀で、完成度の高さを見せ付けています。共同通信杯から直行のローテーションも近10年で4頭の勝ち馬が出ていますし、折り合いに難がないので初の2000mもまったく問題なく、ダービーまで有力とも見てますよ」

小島「さっきの話の続きになりますが、サートゥルナーリアが本調子で臨むダービーはともかくとして、今回の舞台はダノンキングリーの武器であるスピードを生かすにはベストかと思います。追い切りの動きや状態などは、戸崎圭騎手と仲の良い智美さんにお任せするとして、いつも慎重な萩原師がかなり手応えを持っている様子でした。母系から来る距離の不安も、前走で払拭できたように思いますし、担当の厩務員さんはダービー馬ロジユニヴァースも手掛けていた超腕利きの人ですからね。無傷で戴冠するのは、こちらと見ました」

小野智「その戸崎圭騎手は“ひと追いごとに確実に動きが良くなってきました。大人しいと感じるくらいの落ち着きがあるので、距離が延びての折り合いも全く問題ないです。サートゥルナーリアは強いと思いますが、4コーナーでの反応の良さを生かして結果を出したいです”と、抱負を語ってましたよ。負けていない馬同士の戦いですが、やはり今年一度使ったアドバンテージはあるはずですし、戸崎圭騎手のレース連覇にも期待したいですね」

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