武豊マテラスカイに「平気で蹴っ飛ばす」クセ者までも…

連覇を狙うマテラスカイに　死角はあるのか？

デスク「中京に舞台を移してからの７年間で、１番人気馬が馬券対象から外れたのは僅か１回だけ。そんなデータを持ち出すまでもなく、昨年の覇者マテラスカイが断然人気の様相だな」

須藤「何しろ昨年はハイラップで逃げて４馬身差の圧勝。脚抜きのいいダートだったとはいえ、従来の記録を１秒以上も更新するＪＲＡレコードのオマケつきでしたからね。意外にも、重賞勝ちはその１つだけですが、ドバイ遠征の前走でも２着と好走したように、ここでは力が抜けていると見ます」

市場「その昨年から１キロ増えた５７キロの斤量も全く問題はないですし、海外遠征帰りでも入念に乗り込まれて動きも活気十分の好仕上りです。行き切った方がいいだけに、何が何でも、という馬がいないのも好材料ですね。時計は別としても、昨年同様の圧勝まであるのではないでしょうか」

デスク「人気になり過ぎる馬は平気で蹴っ飛ばす田崎までも◎だもんな」

田崎「このメンバーでマテラスカイを蹴っ飛ばすほど、僕は天邪鬼ではないですよ。カギを挙げるとすれば、同型馬ウインムートとの兼ね合いでしょうが、今回は斤量で１キロのアドバンテージもありますし、中京なら簡単には止まりませんよ」

デスク「あとは状態面か。市場の報告では不安なしとのことだが」

那谷「ドバイ遠征から１戦挟んで押せ押せのローテだった昨年と比べても、ここ一本に絞って調整されてきた今年の方が上と見ていいよ。実際“上半期はここが最後なので、じっくり乗り込んでメイチに仕上げた”と、陣営も話していたし、本質は誰が見てもスプリンターだけど、芝スタートなら１４００ｍでも押し切れるのは昨年の驚異的なレコード勝ちが示す通り。秋に予定しているアメリカ遠征に向けても、ここは負けられないところだろう」

仕上りも絶好と言えそうなマテラスカイ(右)（撮影：日刊ゲンダイ）

デスク「ただ、マテラスカイが昨年のこのレース以降に勝っていないのも事実だし、馬場も昨年ほど高速化しないとあれば、昨年敗れた馬たちにもチャンスがあるかもしれないな」

加茂「昨年は３着のウインムートやけど、ここ３戦で重賞２勝と充実期を迎えた感を受けるし、先週の坂路で５１秒９を叩き出したように、高いレベルで状態をキープしてまっせ。“スタートで躓いたが、行き切って自分の型で運べたことが勝因”と、加用師は前走を振り返っていたんやけど、マテラより内の枠を引いて強気に行き切れば、５８キロでもチャンスはあるはずや」

吉田「昨年４着のサクセスエナジーも、十分にパワーアップしてますわ。ウインムートには完敗した形の前走にしても、好位で折り合いを付けるのに苦労したもので、けっして力負けではないはずですし、京都のすばるＳで見せた行きっぷりを見ると、芝スタートなら前走同様の内枠でもチャンスがあるんやないかと…」

目黒「さきたま杯からココというサクセスエナジーのローテは昨年と同じで、違うのは連覇を目論んださきたま杯で２着に敗れたことですが“スタートして躓いたし、内めの枠だったので、厳しい形になったね。勝った馬には楽な形で運ばれたから、いい内容の２着だったとは思うよ。地方交流レースでも勝っているけど、本質的には中央のコースの方がレースはしやすいタイプ。最近はずっと体調がいいし、今回もいいレースをしてくれると思う”と、村田助手は期待を寄せてました。マテラスカイに先着した実績があることを考えても、チャンスはあるはずです」

持木「おととしの覇者キングズガードは、その後に勝ち鞍がなく、一時は年齢的に衰えたかと思えた時期もありましたが、今年に入ってからは明らかに復調の気配を見せています。今回は中間からブリンカーを着用していますが、調教での行きっぷりも良くなっていますし、ハナ争いが激化する流れにでもなれば、追い込みがハマっても不思議はありませんよ」

加茂「キングズガードは、前走にしても上位２頭は行った行ったでの３着。５８キロの葉トップハンデを背負っていたことを考えれば、よく追い上げたと言えるやろ。ただ、おととし勝っているとはいえ、左回りでは内にササるところがあるので、そのあたりがブリンカーで解消されれば、ってとこやろな」

桜井「マテラスカイを筆頭に快速馬が揃い、先行激化が予想される中で、キングズガードもそうですが、サンライズノヴァにも展開が向きそうですよ。近走こそ不発が続いていますが、無欲の直線勝負に賭けた時にはトンでもない脚を使う馬ですし、得意の左回り１４００ｍなら中京コースでも期待できます」