アーモンドアイとサートゥルの頂上決戦に「比べるまでもない」の声

穴馬というには失礼な　忘れちゃいけないこの馬を

デスク「コジはワグネリアンに◎か。狙ってきたな」

小島「いえいえ、僕以外に◎を打った人がいないことが意外なくらいですよ。前走の札幌記念は、両前を落鉄しながらの４着で、むしろ評価できる内容。アエロリットが引っ張る展開なら、スローではなく淀みない流れとなり、長くいい脚を使うこの馬向きの展開となるはずです。東京コースも２戦２勝ですし、ダービー馬の実力を忘れちゃいけませんよ」

広田「ワグネリアン担当の藤本助手によると“正直、前走は今までで一番のデキだった”そうで、それだけにレース中の落鉄は余計に痛かったようです。そこから一旦放牧へ出しての臨戦となりますが、状態面に関しては何も問題はないとのこですし、初対戦となる同世代のアーモンドアイを相手に、ダービー馬の意地を見せたいところでしょう」

デスク「ここまで名前の挙がった馬はいずれもＧIホースだけど、秋の天皇賞は、ここでＧI初制覇を成し遂げる例が多く、過去１０年の勝ち馬でも４頭がそうなんだよな」

伊利「さすがはデスク、いいことをおっしゃってくださいました。後半１０００ｍが５８秒５という長丁場としての激流を後方からただ一頭だけ差してきたダイヤモンドＳ。対して、前後半の１０００ｍが５８秒６－５８秒９という新潟外回りとしては速い流れをスタミナとパワーで押し切った新潟記念と、左回りでは距離やペースを問わず高いパフォーマンスを示すユーキャンスマイルが、今年はやってくれるでしょう。その新潟記念の勝ち時計は、前年のブラストワンピースに並ぶ優秀なものですし、ＧI制覇へ機は熟したと見ます」

広田「ユーキャンスマイルは、それまで重賞では長丁場でしか実績を残していなかっただけに、２０００ｍ戦で結果を出したのは大きな収穫と言えます。友道師も“右回りと比べて左回りの方がコーナーリングはスムーズで、競馬もしやすいのだろう”と話してましたが、これで左回りは３戦３勝ですからね。強力メンバーのここでも、立ち回りの巧さを生かすことができれば、可能性はありますよ」

同じ左回り2000ｍの新潟記念を勝ってきたユーキャンスマイル(青帽)（撮影：日刊ゲンダイ）

デスク「あとはＧI馬、しかも今年の春に勝っているのに名前の挙がらない２頭だな」

那谷「アルアインは、宝塚記念以来になるけど仕上りに不安はないよ。最終追いでもステッキを使って一杯に追われていたけど、これまでステッキを入れると反抗するのでレースでも使えなかったのが、敢えて追い切りで使うことによって本番でも反応するように、という予行演習も兼ねていたんだ。これは強調材料だな」

デスク「なのに、ジャッジとしての印は△か」

那谷「皐月賞、大阪杯と２０００ｍのＧIを２勝しているわけだから、距離的にはベストなんだけど、ともにコーナー４つの内回りコースでのもの。“直線の長いコースでの決め手勝負に課題が残る”と、池江寿師は慎重なんだ。どちらかと言えば、上がりがかかるタフな消耗戦は歓迎なんだけど、かといって雨の影響が残る馬場は宝塚記念での走りを見ても得意とは言えないし、堅実なところはあっても条件が噛み合わないと馬券にならないタイプでもあるからな。大外枠を引いてしまったことを考えても、押さえまでだろう」

デスク「ウインブライトも、前走の敗因を距離と見るなら、巻き返していいんじゃないのか？」

守屋「オールカマーの惨敗に関しては“時計にならないところを含めてジックリと乗ってきたが、夏場はウッドコースが改修のため閉場していたし、結果的に負荷のかけ方が甘かったのかも。息切れした感じだったね”と畠山吉師は振り返ってましたね。そこで、今回は最終追いも含めかなりビシビシと追い切ってきましたが“これだけやってきたが、それでも本当に良かったときと比べるとどうかなという感じ。一叩きした分と、最終追い後の気配がどれだけ上向くかかなぁ”とトーンは低めのまま。ジャッジが厳しい松岡騎手にしても同じような手応えで、取材からは馬券を買いたい要素は薄かったですね。また、この馬自身、一瞬のキレ味を引き出せるコースに適性が高く、東京ではどうかという気もします」