代打池添ここぞの一撃 2着ダノンプレミアムが弾けなかったのは…

佐藤直文 レース回顧
マイルCS

ダノン勢を封じて春秋連覇 インディチャンプ

 メンバー的にも予想されたことではあったが、前半3ハロンが35秒3という過去10年で最も遅いラップ。これだけ流れが落ち着けば完全に前の組の競馬になったと言えたが、ただ昨年のような内有利の馬場ではなく、むしろ直線なども荒れた内からでは伸びづらい状態だったように思えた。

 インディチャンプは、スタートを決めて好位に収まり、人気の2着馬を前に見る絶好のポジション。勝負どころから仕掛けて行って直線で抜け出しかかったその2着馬の内から、持ったままの手応えで並びかけたところで勝負はあった、という感を受けた。追い出されると並ぶ間もなく交わし去って、完勝と言える内容での春秋マイルGI連覇。馬自体は余裕の仕上げだった前走を叩いてグンと良くなっていたし、代打の池添騎手も実にソツのない騎乗ぶりで、大舞台での強さを改めてアピールした形だ。

インディチャンプ

3番人気インディチャンプ(赤帽)が春秋マイルGIを連覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ダノンプレミアムは、前に壁を作りにくい外枠がどうかとも思われたが、今日のところは持って行かれるシーンもなく外枠がマイナスになったわけでない。おそらく鞍上も思い描いた通りのレース運びながら、直線でもうひとつ弾けなかったのは、これまで経験したことのない中2週の影響が少なからずあったはずだ。陣営もそれを承知の上での臨戦だったわけだが、そう甘くはなかったと言うこと。ただ、状態こそ万全であれば、まだまだ大舞台での巻き返しも可能な馬だ。

 3着ペルシアンナイトは、中団後ろからの競馬で、今日の流れでは厳しい位置取りだったが、直線で馬場の中ほどを力強く伸びた。これで3年連続の馬券対象となったように、とにかくこのコースは走る馬であり、出負けしたとはいえ落ち着いた騎乗で持ち味を引き出した鞍上も実に巧かった。

 4着マイスタイルは、絶好枠からのマイペースの逃げが打てたことが好走の最大の因だが、5歳の秋にしてデビュー以来最も充実していることも確かだろう。

 5着ダノンキングリーは、枠なりに中団のインをロスなく運び、直線でも開いたインに進路を取ったが、前述したように今年は内が伸びない馬場では仕方がなかったか。ただ、直線に坂のあるコースで結果を出し続けてきたこの馬にとって、平坦の京都コースが合わなかった可能性もある。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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