父を彷彿とさせる飛ぶような走り 仕上げは万全のコントレイル

調教班レポート
大阪杯

 登録の段階で既にフルゲート割れとなった今年の大阪杯だが、新たなステージに挑むグランアレグリア、5戦5勝のレイパパレがエントリーして見所は十分。しかしながら一番の注目株は、古馬となって最初のレースを迎えるコントレイルで、異存はないだろう。
 三冠を達成した菊花賞は相当にタフな競馬。少なからず疲れが残ったであろうが、世紀の一戦と謳われたJCでも2着を確保したのは立派の一言だった。負けた相手がアーモンドアイなら仕方ないと誰もが納得できるし、むしろ無敗という重い看板を静かな形で下ろせたのは良かったように思う。

コントレイル

菊花賞は苦しんだ末の三冠達成となったコントレイル(左)

 気になるのは栗東に帰厩後の姿だが、すっかりオーバーホールできたようで、馬体も一回り成長。レースが近づくにつれて好調教を連発しており、特に1週前のコース追いでは父の現役時代を彷彿とさせる飛ぶような走りを見せてくれた。気持ちが乗り過ぎて引っ掛からないか、その点だけが心配だが、そういった意味では馬場が渋ったとしても反ってプラスに働く可能性もあるのではないだろうか。
 牝馬が席巻した昨年は孤軍奮闘ともいえる働きを見せたが、果たして今年はどうか。勝っても負けても、求められるのは常に想像を上回るパフォーマンスだろう。

田崎泰

筆者:


1973年大阪生まれの千葉育ち 1997年入社。栗東時計班でCウッドコースを担当。予想で最も重視するのは条件に対する適性で、馬券の基本は単勝だが、WIN5もライフワーク。西船橋に住んでいた時代、初めて競馬場で見たのがツインターボが逃げ切ったオールカマー。