福島牝馬S 汚名返上なるか『最強の1勝馬』 【栗東・想定班レポート】

想定班レポート
福島牝馬S

難題を克服できた要因は

 シゲルピンクダイヤ(栗東・渡辺厩舎)は、時に現れる『最強の1勝馬』。当事者にとって言われてあまり気分のいい呼称ではないが、現役牝馬の中でこれほどピッタリと当てはまる馬は他にいないだろう。

 桜花賞がグランアレグリアの2着、秋華賞がクロノジェネシスの3着と強敵相手のGIで好走しながらも、いまだに1勝馬の身でいつづける要因がゲート入りを嫌がる点だったが、2走前の中日新聞杯では牡馬相手にクビ差2着と好走し、覆面を着用することでその難題をとうとう克服できた感を受けた。

シゲルピンクダイヤ

2走前の中日新聞杯では9番人気ながらクビ差2着と好走したシゲルピンクダイヤ(左)


待望の2勝目、そして汚名返上を

 期待された前走の愛知杯は9着という結果に終わったが、「レース前に消耗することがなくなったのは大きいですね。前走は展開も厳しくなりましたが、本質的に2000メートルは長いのかも知れません。今日の追い切りは馬場のせいで時計を要しましたが、動きは良かったです。距離が1800メートルになるのはいいと思いますし、ユッタリ運べる新潟コースも合いそうです。流れひとつでチャンスはあると思います」と渡辺調教師。ここで待望の2勝目&初重賞制覇を成し遂げて、不名誉な称号を返上したいところだろう。(栗東想定班・瀬古満明)

筆者:


1971年東京都生まれ 1991年入社。栗東の厩舎・関係者取材を担当。予想スタイルは中穴で、馬券は点数を絞る。競馬好きだった父親の影響でこの世界へ入り、趣味は、ゴルフ、落語。