天皇賞のゴールに最も近い馬は 今年に入っての調教内容が凄まじい馬を指名【栗東・調教班レポート】

調教班レポート
天皇賞(春)

今までにない負荷をかけた調教で ディープボンドがパワーアップ

 今年は実に27年ぶりとなる阪神での施行。人気も踏まえれば、ディープボンドアリストテレスワールドプレミアが有力だと思いますが、このコース替わりに一番左右されにくい脚質のディープボンドがゴールにより近いと考えています。確かに昨年の菊花賞ではアリストテレスに完敗でしたが、今年に入ってからのウッドでの調教内容が凄まじく、前回でも坂路で4本シッカリ負荷をかけた後に、一週前が6F79.7-1F12.1、直前が6F80.2-1F12.0。今回も一週前が6F79.5-1F12.2。最終追いの水曜日こそ6F84.1でしたが、恐らく去年まではこれだけの負荷をかけたことはなかったハズです。裏を返せばそんな好時計、猛調教に耐えられる心臓へパワーアップしたからだと。従って、前回は馬場によるアドバンテージでの着差ではなく、一連の調教過程によるものだと私は考えています。実際、トビが大きくストライド走法なので、たとえ良馬場になったとしても割り引く必要はないでしょう。

ディープボンド

前走の阪神大賞典では2着に5馬身の差を付けたディープボンド


逆転候補の一番手は やはり菊花賞馬

 確実に一昨年の菊花賞のデキを取り戻して来たワールドプレミアは、もしも当時のような内々でジッと脚を溜めて、ひと脚にかける戦法を福永騎手が取ってきた時、むしろアリストテレスよりも怖い存在になるかと…。いずれにしても道中、13秒台に落ちるラップがある緩みが欲しいワールドプレミアアリストテレス、対して淀みなく淡々と12秒台までのラップを刻むペースに持ち込みたいディープボンドの戦いに注目したいところです。(栗東調教班・吉田英生)

筆者:


1972年奈良県生まれ 2006年入社。栗東時計班。馬券は複勝一本鎗。この世界に入ったきっかけは、競馬好きだった父親の影響。

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