【秋華賞】僚馬クロノジェネシスと同じぶっつけで 成長示すステラリア

調教班レポート
秋華賞

2年前のクロノジェネシスと同じ調整過程で

 凱旋門賞挑戦は残念な結果に終わったクロノジェネシスだが、2歳~3歳春当時はテンションが上がりやすく、前向きな気性も災いして阪神JF~オークスでは結果を出せなかった。その気性面を考慮してぶっつけで挑み、プラス20キロと大幅な馬体増で成長した姿を見せた秋華賞で初めてGIを制覇したが、この時の経験や調整法が今回に生かされる可能性があると感じられるのが同じ斎藤崇厩舎のステラリアだ。

 実際に秋華賞当時のクロノジェネシスと今回のステラリアを比較すると、CWでの時計の出し始めから最終追い切りまでの期間がほぼ1カ月、長めから併せ馬を消化した本数が共に5本など、非常に似通った調整過程を踏んでいる。

ステラリア

最終追いでも軽やかなフットワークが目立ったステラリア(左)


幸運も味方に付けて ステラリアの一発に期待

 そして今回のステラリアの追い切りの中で最も注目したいのは9月15日のCWでの併せ馬だ。約3馬身ほど先行したとはいえ、体重の軽い岩田望騎手が跨ったクロノジェネシスを相手に、4コーナーでは引っ張ったままで大外を回り、直線では内に入って手綱を動かすクロノジェネシスを尻目にまさにおいでおいでの手応え。ゴール前まで持ったままで完全にアオっていた。翌週の同じ併せ馬でも互角の動きを見せていた事を合わせて考えても、その推進力に溢れる走りはGI級の古馬と比べても遜色がないと言えるレベルだ。

 調教が進むにつれて若干気持ちのスイッチが入ってきた印象を受けるが、最終追いでは道中十分に我慢が利き、休み明けとしては適度な気合い乗り。見た目に全く太目感のない好馬体にも関わらず、調教後の馬体重で496キロと大幅に増えている点を踏まえても十分な成長が感じられる。抽選をくぐり抜けた幸運を味方に一発を期待できる仕上げと評価している。(栗東調教班・中邑茂)

忘れな草賞

同じ舞台で好時計勝ちを演じた忘れな草賞のステラリア

筆者:


1974年千葉市生まれ 1997年入社。栗東時計班。馬券は、馬連を中心に単勝や馬単も買うスタイル。趣味は、地元の滋賀県を中心にラーメンを食べ歩くこと。

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