マリアズハート「内枠でも自信を持って買える!」ワケとは【アイビスサマーダッシュ】

想定班レポート
アイビスサマーダッシュ

 今週と来週は小倉開催がなく、舞台は新潟と札幌のみ。同時に、新潟の未勝利戦や1勝クラスでいわゆる「自ブロック制」がなくなり、関西馬と関東馬が次走優先権と出走間隔の上位が出走できるようになるが、過去2年の上記クラスの傾向では関西馬が猛威を振るっている。予想や馬券も関西馬中心にと思っているが、昨年のアイビスサマーダッシュは関東馬が1~3着を独占。2年前に新設された関越Sでも2年連続関東馬がワンツーと、上位条件では関東馬の奮起が目立つ。
 ということで、土曜新潟11R関越Sも関東馬からチョイスしたい。狙うのは担当の鹿戸雄厩舎からキングストンボーイをピックアップ。今年の2月いっぱいで解散した藤沢和厩舎からの転厩馬で、前走時も「脚元の不安もなくコースで追い切れているし、跨った横山武騎手も好感触をつかんでくれている。いい雰囲気の馬だよね」と色気を持っていた。しかし、スタートで出遅れて4角でも外々を回らされた上、緩い馬場も応えて伸び切れなかった。転厩緒戦・8か月ぶりというのも結果的に応えたように思う。脚元の状態を見ながらなので、その後は放牧で立て直したが、師は「反動もきていないのでここを目標に乗り出せた。太目感なく馬体をスッキリ見せているし、今回もコースでやれているからね。上積みはありそうだし能力的にもやれていいと思っている」と期待を寄せていた。

キングストンボーイ

素質馬キングストンボーイが、巻き返しに燃える

 昨年の共同通信杯ではステラヴェローチェに先着し、シャフリヤールともクビ差の接戦だった馬。本来の力を出せれば重賞勝ちも狙えるのではと思わせる素材だけに、ここでの一変に賭けてみる。


 そして日曜の新潟11Rアイビスサマーダッシュは、人気でもマリアズハート(美浦:菊沢厩舎)を中心視。直線競馬で2戦2勝、ともに菊沢騎手の落ち着いた進路取りと手綱捌きが光ったレースだった。8枠というアドバンテージはそこまで関係なく、1000mでも巧くタメが利いてどちらも完勝といえる内容。決め手を生かすタイプだけに馬群が密集する外目より、むしろ内枠からの方が勝負所も捌きやすいはず。さほど内外の有利不利も少ない開幕週なら、この枠でも何ら問題ないだろう。直線競馬の適性は相当高く、6歳牝馬だが重賞初制覇のチャンス到来とみる。

マリアズハート

「菊沢一樹騎手×菊沢隆徳厩舎」親子タッグで重賞制覇を狙うマリアズハート

特殊な条件だけにリピーターが目立つレースでもあるが、昨年から3キロの斤量増でもオールアットワンス(美浦:中舘厩舎)が対抗。前走はちょっと窮屈な競馬を強いられたジュニパーベリー(美浦:手塚厩舎)を単穴に。ライオンボス(美浦:和田郎厩舎)は昨年まで3年連続で使っていた韋駄天Sを使えなかったのが痛手で、58キロにも不安を残すが、千直適性の高さは疑いようがなく4番手の評価とした。(美浦TM:守屋貴光)

守屋貴光

筆者:


1978年神奈川県生まれ 2004年入社。美浦の厩舎取材を担当。取材の感触に加え、ラップやレースぶりなどを総合的に判断する予想スタイルで、馬券は単勝とそこからワイドへ数点が基本。中学時代からダビスタにハマり、そこから実際の競馬も観るようになった。一番好きな馬は、弥生賞の走りを見て鳥肌が立ったフジキセキ。

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