一強サトノダイヤモンド　陣営からは不安の“ふ”の字も見えず

春とは違う！　上位争い可能の馬たちも

デスク「過去のデータなんかを見てもダービー組優勢の傾向はあるんだけど、サトノの相手としてならダービー不出走組でもチャンスのある馬が多いんじゃないか？」

須藤「僕は“相手”としてではなく、ナムラシングンに一角崩しの期待を賭けたいですね。皐月賞では、サトノとエアにコンマ３～４秒の差でしたが、そう悲観すべき差ではないと感じましたし、何より当時よりもかなりパワーアップしていますよ。夏に一度使った強味と、出走権獲得の執念で何とかならないかと」

広田「高野師は“皐月賞後は無理にダービーの権利取りに行かずに、早目に充電させたのが良かった”と。その効果は、強かった前走を見ても明らかですね。心身ともに成長し、ジョッキーとのコンタクトもスムーズになった今なら“２４００ｍでも折り合いの不安はない”とのことですし、ここでも十分に戦える下地は整っていると言えます」

8月の1000万特別戦も圧勝だったナムラシングン（撮影：日刊ゲンダイ）

吉田「僕は上がり馬カフジプリンスに魅力を感じますわ。向正面からギアを上げていく形で２着に５馬身もの差を付けた２走前の勝ちっぷりは見事なモンでした。前走は、３角で窮屈になるシーンがありましたが、個人的には消極的な騎乗も敗因と言えるんやないかと。ある程度早目に動いてロングスパートをかける競馬の方が合っていると思うとりますし、ここでサトノやエアを負かすのは難しいかもしれませんが、適距離と思える菊花賞の出走権は最低でも取って欲しいですわ」

細川「陣営も“２走前の走りができれば、差のない競馬も可能”というスタンスです。武器とも言える“長くいい脚”を生かしてほしいですね」

加茂「夏の北海道で力を付けた、言うたら、ミッキーロケットがオモロイですわ。春先とは馬が変わった印象も受けまっせ」

瀬古「そのミッキーロケットの春先ですが、６走前になるつばき賞が出遅れるロスがあっての２着で、普通に出ていれば勝っていたかと思える内容。その勝ち馬であるナムラシングンを物差しにすれば、力は足りてもいいでしょうね。ただ“３回に１回は出遅れる”と音無師が言うように、発馬の不安は残っています。スタートに定評のある和田騎手が互角に出してくれれば、と言ったところでしょう」

福田「前走は内をすくわれて惜敗のロードヴァンドールやけど、この馬の持ち味は十分に発揮できたモンやったな。そこから放牧を挟んでの臨戦になるけど“重厚感が出た”と、昆師は春からの成長に手応えを感じている様子。あくまでもチャレンジャーの立場やけど、マークをされずに先手を取れる組み合わせやから、ヒモ穴で狙う手もありまっせ」

加茂「ジョルジュサンクの前走は、６着でもゴール寸前まで踏ん張っていたし、他馬より重い斤量を背負っていたことを考えれば悪くない内容やったわ。広いコースに替わって距離が延びるのもプラス材料で、減った馬体も回復。レース運びの巧いタイプやから、差のない競馬も可能やろな」

瀬古「ダービーは１４着と大敗したアグネスフォルテですが、デビュー時の４５０キロから２０キロも体重を減らしていたように、そこまで１０戦していて体調的にギリギリでの出走だったことは確かです。リフレッシュによりその疲れも癒えて馬体も回復しているのなら、もっとリズム良く走れるはずですし、２着だった京都新聞杯の走りを見直す手もありますね」

那谷「同じくダービーは１５着と惨敗したイモータルだけど、精神面の幼さが抜け切らず、ＮＨＫマイルＣもそうだったけどイレ込んで競馬にならなかった印象。ひと夏を越して“この馬なりに気性は成長している”と言う須貝尚師だけど、まだ子供っぽさは残っているし、レース当日になってみないとわからないところもあるな。なので、くれぐれもパドックや返し馬を注意して見て欲しい馬なんだ。２歳時に見せた素質の高さや、ディーマジェスティにコンマ２秒差２着だった共同通信杯の内容からも、上位争いできるだけの素質があるのは間違いないんだけどな」

デスク「さてと、ここもサトノダイヤモンドで堅いと見るべきだろうが、俺が狙ってみたいのはナムラシングンだな。ただ、馬券は、サトノへの１点で良さそうだが…」

木谷「僕もずっと応援しているサトノダイヤモンド◎はいいとして、問題は相手ですよねぇ。皐月賞で見所のある競馬をしたナムラシングンが面白そうだと思うんですけど、デスクと被るのはちょっと…。それなら長距離が合いそうなイモータルなんかを狙ってみましょうか。もちろん、那谷さんの言いつけを守って、パドックと返し馬をしっかりとチェックしますよ！」