経験豊富なタンタアレグリア 23度目のダービーに挑む蛯名は“自然体”
【Road to Derby 2015】
この連載コラムの最後に取り上げるのは、タンタアレグリア(美浦・国枝栄厩舎)。青葉賞2着で出走権を獲得しての臨戦となるが、メンバーで唯一、東京2400mの舞台を2度経験している強味を生かせるだろうか。
母は南米チリの名牝
タンタアレグリアは、父ゼンノロブロイ、母タンタスエルテという血統で、2012年3月29日に白老・社台コーポレーション白老ファームで生まれた。母は日本では珍しいチリ産馬で、同国の2歳牝馬チャンピオンとなっている。3歳上の姉パララサルーは6戦4勝。アネモネステークスを勝って桜花賞に出走(ジェンティルドンナの9着)し、秋にも紫苑ステークスを勝って秋華賞出走権を得ながら、脚部不安のためターフに復帰できなかった。
デビューは2歳7月の福島と早かったが、続く新潟の未勝利戦ともども2着に敗れ、3戦目の11月29日、東京芝2000mで初勝利を挙げた。続く12月28日のホープフルステークス(GII・中山芝2000m)では、出負けしてのスローペースで後方から差を詰めたものの、7着に終わった。
ダービーを意識したローテーションで
明けて3歳の緒戦は、2月7日のゆりかもめ賞(500万特別)。この時期としては数少ない、ダービーと同じ舞台の東京2400m戦で、クビ差の2着と好走した。勝ったヴェラヴァルスターがインをロスなく回っていたことを考えれば、まさに勝ちに等しい内容だった。
そして、3月28日の大寒桜賞(500万特別、中京芝2200m)で2勝目を飾り、5月2日の青葉賞(GII・東京芝2400m)に駒を進めた。
その青葉賞は、ゴール前で3頭の叩き合いとなり、レーヴミストラルにこそ屈したが、ゆりかもめ賞ではクビ差敗れたヴェラヴァルスターには雪辱を果たし、見事2着でダービー出走権をモノにした。
冒頭に記したように、東京2400mを2度経験しているのは、この馬だけであり、3歳以降は全て2000mを超える距離を使って結果を残してきたという点は、いかにもダービーを強く意識したローテーションである。
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