小回り千八がピッタリ 7歳牝馬ウキヨノカゼが久々の重賞制覇

佐藤直文 レース回顧
福島牝馬S

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終わっちゃいない7歳牝馬 ウキヨノカゼが蘇る

 前半1000mが59秒9というのは、開催最終日の馬場を考えれば平均ペースだったと言えるが、3角手前からデンコウアンジュがマクリ気味に仕掛けたことにより、一気にペースアップ。勝ち馬はその仕掛けを巧く利用して進出した印象を受けた。

 そのウキヨノカゼだが、長くスプリント路線を歩んで、キーンランドC勝ちやスプリンターズS3着の実績もある馬。ただ、見せ場は十分にあった前走や今回の走りを見る限り、一瞬の脚を最大限に生かせる小回りの1800mがピッタリの感を受けた。何で、今までこの条件を使ってこなかったのか、とすら言いたくなるほどだが、次のヴィクトリアマイルは、もっと遡って3歳春にクイーンCを勝った舞台だ。一瞬の脚では太刀打ちできない東京マイルとはいえ、さらに別の引き出しから新たな面を、という可能性もあるだろう。

 2着フロンテアクイーンは、道中は中団馬群の中から渋太く脚を伸ばすという、自分の競馬に徹して力を示した。初の福島コースでも適性を見せた形だが、今日の力強い走りなら少し時計のかかる馬場で更に良さそうだ。4歳という年齢を考えてもまだ伸びしろが見込め、牝馬同士なら重賞制覇もそう遠くはないだろう。

 3着クインズミラーグロは、勝ち馬同様にデンコウの仕掛けを利用しての進出。これで3戦連続での重賞3着となったわけだが、舞台や戦法の違いを考えれば、本当に良く走っている。

 4着デンコウアンジュは、直線で後続の強襲に屈したとはいえ、自ら動いての掲示板確保は評価できる内容だ。これまたメンバー次第では重賞でもチャンスがあるだろう。

 5着リーサルウェポンは、少々峠を越えたかと思える近走だったが、いつもの後方待機ではなく流れに乗る形での好走であり、まだまだ終わってないことをアピールした形だ。

 クロコスミアは、道中こそ絶好位で流れに乗れた自分の競馬だったが、デンコウのマクリで一緒に動かざるを得なかったのが誤算だったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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