若駒を送り出す陣営のホンネは？ 函館２歳Ｓを激論

過去のデータを覆す？　穴ならコノ馬

デスク「土曜の朝になってモルトアレグロが取り消したことで、急遽の予想変更を強いられたコビちゃんをはじめ、みんな大変だったな」

小桧山「上位４～５頭は横一線と見ていたから、そんなに苦労はしなかったけど、◎はベイビーキャズにしたよ。初戦は１０００ｍだったとはいえ、上がり３３秒９は立派な数字。あと１ハロンで１２秒かかったとしても１分９秒７だから、これまで挙がった人気どころとそう差はないと考えてもいいよな」

三代川「１０００ｍでの勝ち上がりのせいか、それほど人気にならないと思いますが、スタート一息で４コーナーでも外を回っての差し切りは着差以上の強さでした。課題は多そうですが、能力は遜色がないんじゃないかと思います」

山崎「とりあえず、１ハロンの距離延長が鍵になりますが、陣営は“間違いなくプラス”と見てますね。スタートについても“使って気持ちがピリッとしたし、今回はゲートが決まるはず”と、不安視はしていない様子でしたよ」

木谷「例によって真面目バージョンの僕ですが、人気どころのナンヨープランタンやアリアのレースぶりを見ると、あんまり“１２００ｍ向き”という感じがしないんですよね。どちらかと言うとマイル位が合いそうな印象ですし、しかも重賞になればスプリント適性も今まで以上に問われるわけで…。そんな訳で僕は芝１２００ｍを逃げ切った馬の中でも勝ち時計が一番速かったダンツクレイオーを推します。ワークフォース産駒で馬体的にも雨の影響を受けた馬場はＯＫでしょう」

目黒「ダンツクレイオーは今回が３走目の出走になるわけですが“中１週続きになるけど、馬格のある牝馬で、この時季の２歳としてはレース後の回復も早い。まだトモにユルさがあって本当に良くなるのはもう少し先だと思うけど、２戦とも楽にハナを切ったように、スピードは重賞でも見劣らないと思う。今回も持ち味を生かして前にいく形になると思う”と本田師が話していたように、同型を制してハナを主張しそうですね。そして金曜日に担当の草木助手を取材すると“週末は雨予報でしょ。この馬はデビュー前に本馬場調教をしたんですけど、その時に凄い雨が降っていておそら不良に近いような馬場で追い切りをしたんですよ。それでも凄く行きっぷりが良かったんで、たぶん道悪は全く苦にしないんじゃないかな”と。馬場も追い風になりそうですね」

清野「私は、デルマキセキを狙ってみます。初戦の勝ち時計は平凡でしたが、かなり余裕を持たせた仕上げだったので、上積みは大きいはずです。勝負どころで反応が今イチになりながら、直線でジリジリ伸びて渋太く差し切ったレースぶりも、馬場が渋って時計勝負にならない混戦で生きるのではないかと思いますよ」

広田「上積みについては、陣営のトーンが思ったほど上がっていなかったので、僕は印を回さなかったんですが…」

小桧山「パッセは、新馬勝ちの時計も内容も上々だし、他場からの転戦組が一息、というマイナスデータ以外は悪い点はないんだよな。岩部騎手も“俺の馬、走るよ。時計も良かったし、センスがある。函館組との比較だけだね”と、かなり手応えがある様子だったぞ」

木谷「パッセは、昨年１３番人気で３着だったタイムトリップと同じ福島芝１２００ｍ組ですが、勝ち時計も同じときました。なにより勝ちっぷりも良かったですからね。３着なら十分アリかと思います」

福島でデビュー勝ちを収めたパッセ（撮影：日刊ゲンダイ）

板子「今回はコース替わりのみならず、輸送を挟んでの滞在競馬となりますが“輸送で減った体は無事に回復した。精神的に余裕も出て落ち着きがあるし、パワーがあるので道悪にも対応できそう”と、蛯名師のコメントは上々でしたが、やっぱり他場からの転戦馬に印は回せませんね」

目黒「あと、侮れないのがリンガラポップスです。初戦はナンヨープランタン、カシアスに次いでの３着でしたが、１番人気に支持されていたように前評判は高かった馬です。“初戦は体つきがまだユルい感じで使いましたし、シャキッとしてくれば上を目指せそうな素材。それだけに求めるものも高くなってしまいますが、２走目でアッサリ勝ってくれたように、現時点でも能力はかなり高いです”と田中助手。全く評価は落ちていないんですよ。彼は、競馬学校２２期生の元騎手で北村友騎手とは同期生。“まだまだ良くなる余地は残しているけど、競馬を使うごとに確実に良くなっています。筋肉の付き方にメリハリが出てきましたからね。北村友一と一緒に重賞にチャレンジできる機会もなかなかないですし、頑張ってほしいですね”と抱負を語ってくれました。二人ともデビューから見ているだけに応援したいです」

小桧山「あと、スズカマンサクは、橋田師が“体は少し減るくらいで許容範囲。動きがしっかりとしてきたし、前走以上の状態”と言うものの、ちょっと時計的に厳しいだろうな」

木谷「あの、今思い出したんですが、僕の◎のダンツクレイオーって、“クレイオー”なのに牝馬なんですよね。調べてみたらクリオネの語源にもなったギリシア神話の女神から来てるらしいんですが、そんなことより馬券当たってクレイオーって感じですよ」

デスク「お、ようやくいつもの木谷に戻ったようだな。そのダンツ“クレイ”オーだが、隣の枠にカシアスがいるのが気になるんだよ。そして“アリ”アまでいるとなると、この３頭絡みの馬券は是非とも買っておかないとな。つか、この３頭の木谷の印は◎○注なのか。真面目なフリして、もしや…」