ＧIホース不在で大混戦！ オールカマーを優馬ＴＭが激論

上位人気は拮抗も　本紙武井はアルバートを◎に指名

デスク「近年はＧIホースが秋の始動戦としてしっかりと結果を残しているレースだけど、今年はそのＧIホースが不在ということもあって、上位人気も分散気味だな」

武井「ただ、このメンバーであればアルバートが一枚上の存在だと思います。昨年秋以降、ＧIでは善戦止まりですが、ステイヤーズＳで連覇を達成し、５８キロを背負ったダイヤモンドＳでも上がり３３秒４のモノ凄い脚を使っての完勝ですから、瞬発力に磨きがかかって更なるパワーアップを果たした印象を受けました。問題は距離短縮でしょうが、過去には２０００ｍでも２勝している馬で、ともに当時の２着馬が後に重賞を勝ったほどレベルの高い内容でした。地力が強化された今ならＧIIの中距離戦にも対応できるはずです」

西田「中山コース自体の適性はステイヤーズＳの連覇で証明済みですし、２２００ｍ戦は初めてとはいえ、４角からのスタートで外回りとなればジックリとポジションを取れるはずですからね。私もＧIIなら信頼していいと思いますよ」

伊利「ここは４ヶ月半ぶりとなる点が鍵でしょうが、もともと久々は苦にしないタイプですし、併せ馬が基本の堀厩舎にあって最終追いを単走にしたのは、一週前の時点で仕上っている自負があるからこそでしょう。前人未踏のステイヤーズＳ３連覇へ向けて上々の滑り出しとなるはずですよ」

デスク「え？　俺はここを勝ったら海外へ、という話を聞いているけど」

小島「その通りです。陣営は早くから秋の使い出しをココに決めて、結果次第とは言うものの、次は１１月に豪州で行われるメルボルンカップに向かう予定です。目標がハッキリしているだけに、ここまでの調整もしやすかったと思いますし、何より本格化以降ＧI以外では崩れ知らずの馬ですからね。キッチリ勝って海外へ行きたい、というのが本音でしょうね」

豪ＧIメルボルンＣを秋の目標としているアルバート（撮影：日刊ゲンダイ）

小野智「私は、重賞こそ１勝だけですが、ＧIで再三の２・３着があるステファノスを信頼したいですね。前走の安田記念は結果的に距離不足だったと見ていいですし、キタサンブラックにコンマ１秒差まで迫った大阪杯の走りを見ても、中距離での力は相当なレベルですよ。戸崎圭騎手にとっても、アルバートやルージュバックといった騎乗経験のある馬が相手となるのは、戦いやすいと思いますよ」

守屋「ステファノスは、休み明け２戦目で確実に着順を上げているように、明らかな叩き良化型なんですよね。息の長い末脚は中山２２００ｍにぴったりだと思いますが、今回は割り引きが必要かと…」

菅「その認識は陣営にもありますが、目標は先でもこの相手なら地力で大崩れはないだろうという仕上げですね。僕も８月に帰厩してずっと見てきましたが“悪くはない”というのが妥当なところで、“うん、これなら”というレベルまでには至らずのジャッジです。坂路では最後となった１７日も、併せて上がってきたベストアプローチの方が目立つ動きでしたからね。それでも地力で格好をつけるようなら、上昇して迎えられる目標の大舞台で期待が持てると思いますが」

坂倉「僕はモンドインテロを。持続力のある末脚が武器のこの馬とって、中山の外回りコースはピッタリだと思うんですよ。田辺騎手もこのコースを得意としてますからね」

板子「この馬も本格化以降は崩れていなかったんですが、案外だった春の２戦はともに狭い位置で苦しい競馬を強いられ、勝負どころや直線で後手を踏む形となったのが応えたんだと思います。一息入れて臨んだ前走は、後方から運んで直線では馬群の後ろで構える形から一気の差し切り勝ちで、メンバー自体も楽だったとはいえ、余裕十分に対応したルメール騎手の手綱捌きからは、着差以上の力の差を感じましたよ」

佐藤直「今場所の大相撲じゃないけど、横綱クラスのＧI馬がいない今年の手薄なメンバーだったら、そう過去の重賞実績に捉われる必要もないだろうし、ここでモンドインテロが重賞初Ｖを遂げても何ら不思議はないぞ。田辺騎手はルメール騎手に“後ろからトコトコ行って、最後に脚を伸ばすのがベスト”と聞いたらしいし、４年前のヴェルデグリーンのイメージで一発があっていいよな」

大江原「モンドインテロの前走は、手薄なメンバーでの半馬身差に物足りなさは残るけど、勝ち方自体は良かったし、収穫はあったよな。有力どころに春以来となる馬が多いという点でも、夏に一度使われた強味が生きるはずだし、これまでの重賞ではワンパンチ足りなかった馬に、前走で弾みが付いたかもしれないぞ」