正味3ハロンの競馬で パフォーマプロミスがスパッと斬れる

佐藤直文 レース回顧
アルゼンチン共和国杯

長距離重賞路線で目が離せない存在に パフォーマプロミス

 1000m通過が62秒9のスローペース。その後も13秒台のラップが続くなどペースは上がらず、正味、上がり3ハロンの競馬だったと言える。

 パフォーマプロミスは、今日のメンバーでは力上位の存在ではあったが、完全な瞬発力勝負となったことが最大の勝因だろう。特に残り1ハロンを切ってからの伸び脚は目立ち、ペースの落ち着きやすい長距離重賞路線では、今後も目が離せない。

パフォーマプロミス

重賞2勝目をあげたパフォーマプロミス(右黄帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ムイトオブリガードは、道中は勝ち馬を見る形でスムーズに折り合えていたが、追い出されてからはその差が詰まりそうで詰まらなかった。今日のどころは道中の位置取りの差と言えるかもしれない。

 3着マコトガラハッドは、好位を巧く立ち回って、51キロの軽量を生かし切った形。自己条件に戻ればといったところだが、あくまでも今日のような上手な立ち回りが好走の条件となるだろう。

 4着ウインテンダネスは、マイペースに持ち込んで自身もけっして止まったわけではなかったが、瞬発力勝負になっては分が悪かった。もう少し後続にも脚を使わせる形の逃げが理想だろう。

 5着エンジニアは、直線で見せ場はあったものの、最後はキレ負けした形。現状では、重賞だと善戦止まりのクチか。

 ルックトゥワイスは、瞬発力勝負自体には対応できる馬だが、今日のところは道中の位置取りが後ろ過ぎたか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。