本紙担当◎はサートゥルにあらず 「仕上り万全」の声に首を傾げる記者も

人気ほどの差はない！　逆転候補はこの馬だ

西田「私は２歳王者アドマイヤマーズの巻き返しに期待します。前走の共同通信杯は、ダノンキングリーの決め手に屈したとはいえ、自身も上がり３ハロンは全て１１秒台前半のラップとバテてはおらず、スローでも展開利が勝ち馬にあったとすら言えます。操縦性の高い先行脚質で、距離に融通の利くタイプですし、皐月賞４勝の鞍上もどう乗れば勝てるかを熟知しているはずですからね」

中邑「アドマイヤマーズは、前走時が馬なり主体で仕上げられていましたが、今回はシッカリと負荷をかけた本番仕様の仕上げ。馬体のハリ、毛ヅヤも明らかに良くなった印象を受けます。スローに落とし過ぎてピッタリとマークされた前走は、展開も厳しかったと言えますし、ある程度の流れに持ち込んで渋太さを生かした父ダイワメジャーのようなレース運びができれば、後続を封じることができるはずです」

広田「前走については、瞬発力勝負になってしまったことに加え、“久々の影響かパドックからイレ込みがキツくて、持ち味の渋太さを発揮できる状態ではなかった”と、友道師は振り返ってましたし、Ｍデムーロ騎手も“楽にハナには行けたけど、道中はずっとハミを噛んでいて折り合いが難しかった”とのこと。一度使ったことでガス抜きもできたはずですし、今回の最内枠なら無理にポジションを取りに行かなくても自然な形で折り合いが付くでしょうね」

２歳王者アドマイヤマーズは１番枠からのスタート（撮影：日刊ゲンダイ）

小桧山「桜花賞の結果はともかくとして、やっぱりサートゥルナーリアはぶっつけになる分の割り引きが必要だと思うし、例年だと重視すべき弥生賞やスプリングＳもレベルを疑うべき結果。だったら他の路線から、ということで、サトノルークスをピックアップしてみたんだ。初戦と２戦目、３戦目と４戦目でそれぞれレース内容が一変しているし、ホープフルＳ２着のアドマイヤジャスタを物差しにすれば、すみれＳでほぼ同じ着差のこの馬もサートゥルナーリアと同じレベル、なんて見方もできるぞ。枠順も絶好と言えるしな」

持木「サトノルークスのデビュー戦を重馬場が敗因と見れば、戦績的にも３戦３勝の人気勢と遜色はないですし、センスの高いレースぶりから、中山へのコース替わりも全く問題はないでしょうね」

伊利「東スポ杯と共同通信杯で３着と好走しながら、クラシック出走が叶わなかった全兄のムーヴザワールドとは対照的に、サトノルークスは着実にステップアップしてきました。２歳の暮れに５００万勝ちを果たしたのは、同馬主同厩舎のサトノダイヤモンドと同じですし、ここで一気に主役に躍り出る可能性も十分あるはずです」

那谷「加えて言うなら、担当するのもダイヤモンドと同じ中沢助手なんだけど“現状でダイヤモンドと比較するのはかわいそう”と。池江寿師も“キ甲が抜けていないように体型が幼く、まだ完成されていない”と、３連勝の勢いほど陣営のトーンは上がっていないんだよな。ムーヴザワールドもこの時期に伸び悩んだけど、その上の全姉タッチングスピーチもＧIで勝ち負けしたのは３歳の秋になってから。この舞台ではまだ厳しいと見ていいんじゃないかな」

坂倉「僕はヴェロックスで勝負になると見ます。勝ったレースも強かったですが、４着に敗れた東スポ杯も結構な不利があったことを考えれば負けてなお強しの内容でしたからね。ここ２戦のリステッド競走も、ともにコーナー４回のコースで競馬を教えながらの楽勝でしたし、乗れている鞍上も魅力ですよ」

加茂「ここ２走こそ、頭数やメンバーに恵まれた面も否めないんやけど、疲れを残さずに勝てたことで、体調もグングン良化してまっせ。デビュー前からの厩舎の期待馬で、本当に良くなるのは秋か来年かもしれないけど、現時点でも通用して不思議のない能力の持ち主。ここでどんな走りをしてくれるのか、個人的にもひじょうに楽しみですわ」