混戦で予想陣の◎が… 「ノーステッキで33秒3」の大器にも注目

僅か２枚のオークス行き切符はどの馬に

デスク「本番のオークスでは桜花賞組が断然優位の傾向だけど、３年前のこのレースの勝ち馬チェッキーノや２年前のモズカッチャンは本番でも２着に来ているんだよな。ただ、今年は例年に比べて少し小粒なメンバーという気がするけど」

武井「だからこそ、結構みんなの印も割れているんだとは思いますが、僕はフェアリーポルカが頭一つ抜けた存在と見ました。２走前の若駒Ｓでは３着とはいえコンマ６秒差でしたが、勝ち馬が皐月賞アタマ差２着のヴェロックスで、走破時計も同じ開催の古馬準オープンより速かったことを考えれば、価値のある内容だと言えます。前走にしても、直線で抜け出すのが早過ぎて内にモタれる若さを見せた分、後続に迫られはしましたが、余力を残した着差以上の内容でした。折り合いに難はなく、好位で巧く立ち回れるようにセンスは抜群の馬。初の東京コースも全く問題はないでしょう」

大江原「若駒Ｓだけでなく、前走の時計だってペースに違いがあったとはいえ同じ日の毎日杯をコンマ４秒も上回っているんだからな。馬格があっていかにも東京コース向きのタイプでもあるし、フルゲートの大外枠が鍵となるんだろうけど、少々のロスがあっても今年のメンバーなら中心に推せるだろう」

佐藤直「君子蘭賞からのステップも近年の好走例が多いし、昨年もパイオニアバイオが２着したように、ルーラーシップの牝馬はこのコースで抜群の相性を誇っているからな。自分のリズムで運べそうな大外枠も、むしろプラスなんじゃないか？」

細川「フェアリーポルカは、前走からの良化も見込めますし、重賞とはいえ１勝馬が多数を占めるメンバーなら力は明らかに上でしょう。陣営も“とにかくオークスの出走権を”という思いが強い様子でしたね」

デスク「ただ、その多数を占める１勝馬の中には、ソコソコの素質を持った馬も揃っているよな」

坂倉「中でも楽しみなのがセラピアですよ。経験馬相手にスッと好位を取るセンスを見せて、持ったままで２馬身半差の楽勝という初戦はインパクト十分の内容。道中ではまだ若さを覗かせるシーンもありましたが、そのぶん伸びしろもあると見ていいでしょう。あの内容なら、開幕週の東京の速い上がりにも対応できそうですし、未知の魅力に賭けてみたいですね」

広田「セラピアの前走は、ペースが遅くてけっしてスムーズな立ち回りという感じではなかったですが、それでもほぼノーステッキで、上がりも３３秒３という破格の数字でしたからね。キャリア１戦での重賞挑戦に、長距離輸送や左回りなど、懸念材料もあるとはいえ、それを補って余りあるポテンシャルの持ち主であることは間違いなく、陣営も“２戦目で極端にテンションが上がらなければ力は出せるはず”とのことでした。個人的にも、ここで権利を取ってオークスでの走りが見てみたいですよ」

圧巻の内容でデビュー戦を制したセラピア(奥)が樫の権利取りに挑戦（撮影：日刊ゲンダイ）

伊利「前走で少し株を落とした感もあるシャドウディーヴァですが、東京２０００ｍの２走前と３走前は、ともに同じ週の古馬１０００万を上回る時計で駆けていて、この舞台であれば重賞級のパフォーマンスを発揮できる馬だと思います。巻き返しに期待したいですね」

小島「とにかくシャドウディーヴァの未勝利勝ちは圧巻でしたし、あの走りは間違いなく重賞級ですよ。２走前は休み明け、前走は距離不足で情状酌量の余地がありますし、叩き３戦目のここは絶好の走り頃。開幕週の馬場もプラスに働きそうで、ここで強い勝ち方をするならオークスでも伏兵以上の存在になるはずです」

山崎「陣営も“元々が使い込んで良くなるタイプ。権利を取るために、勝ち負けできるよう仕上げた”と意気込んでましたね」

西田「私も◎には１勝馬組からフォークテイルを指名します。まだ馬体のシルエットに幼さや緩さを残しながらも、実戦ではガッツを見せ、前走もマイペースで逃げた勝ち馬に４コーナーで置かれ気味になりながら、直線で坂を上がってから鋭く伸びたものです。余力十分に突き抜けた初戦の内容を考えても、東京コースはより持ち味の生きる舞台ですし、本格化はまだ先とはいえ、悍性の強さとキレ味で通用して不思議はないと思いますよ」

守屋「僕はパッシングスルーで勝負になると見ています。初戦で下した２着馬がニュージーランドＴを勝って、前走の５着馬がファルコンＳを勝ったように、デビューからの２戦の相手のレベルは高いですからね。陣営の期待も大きかった前走のシンザン記念については“馬場が緩くて走りづらそうだった”と、池添騎手も話していたそうで、“今度は開幕週の東京コースだし、雨の心配もないからキレる脚を使えるハズ”と、黒岩師も巻き返しを誓ってました。以来の久々となりますが“最終追いは手応えを確かめながら軽く促した程度だったけど、動きも良かった”とのことなら、この馬の決め手に賭けてみます」