息の長い活躍を期待 セン馬リッカルドが重賞ウィナーの仲間入り

佐藤直文 レース回顧
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豪快にマクって重賞一発ツモ リッカルドが大金星

 有力先行馬が揃ったこともあり主導権争いにも注目された一戦だが、1番人気のモンドクラッセがスンナリと先手を取り、しかもマイペースの逃げで後続も動きづらい展開になった。3~4角の勝負どころでは、2番手以下のジョッキー達の手が激しく動いていたのに対し、逃げるモンドは持ったまま。この時点で勝負アリかとも思えたのだが…。

 リッカルドは、その勝負どころで外を回ってマクリ気味に進出。手応えでは雲泥の差があったモンドを直線半ばで捉えると、最後も2着馬の強襲を凌ぎ切った。準オープンで長く足踏みを続け、前走もハナ差でようやく勝ち上がったものだっただけに、重賞ではまだ敷居が高いという下馬評ではあったが、目下の状態の良さに加え、小回りの1700mというコース形態も合っているのだろう。息の長い活躍が期待できるセン馬でもあり、まだ上を目指せる器かもしれない。

 2着クリノスターオーは、終始気合を付けながらモンドを2番手でマークする形。勝負どころで手応えが悪くなるのも、いつも通りの自分の競馬であり、最後は勝ち馬とモンドの間を割って渋太く伸びていた。悩まされていたツメの不安もすっかり解消されているだけに、重賞戦線では常に目が離せない存在だ。

 3着モンドクラッセは、前述したように道中のペースと直線入り口での手応えを考えれば、追われてからが物足りなかったと言えるが、鞍上負傷で急遽の乗り替わりだったことと、前走レコード勝ちの反動もあったろうか。

 4着ロワジャルダンは、乗り難しいタイプで、名手モレイラをもってしてもここまで、という結果となったが、福島で実績があったとはいえ、基本的に小回りコースは向かないと言っていい。

 5着ヒラボクプリンスは、4角で前をカットされる不利がありながら、よく盛り返したもの。相手のレベルが上がって着順こそ落としたが、前走のような上手な立ち回りができていた。

 連覇を狙って仕上りも良く見えたジェベルムーサは、勝ち馬のような競馬が理想であったが、道中で外へ持ち出せず仕掛けが遅れてしまったもの。外枠を引けていたら、結果も違ったと思えるが…。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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