カンタービレが一気に開花 ロック敗戦「騎手に責任はない」

佐藤直文 レース回顧
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未勝利勝ちからの重賞V カンタービレ

 出走13頭中10頭までが1勝馬という例年並みのメンバー構成だったが、メンバーの質はけっして低くはなく、桜花賞はともかくとして、その先に繋がる一戦だったように思う。

 カンタービレは、前半1000m61秒5という緩めの流れを、好位から前を見る形の絶好位で運び、直線では2着馬に迫られてからもうひと伸びしての完勝劇。鞍上も完全に手の内に入れて、自在性をフルに発揮したと言える。けっして桜花賞向きとは言えないが、中距離では一流馬となれる馬であり、減っていた馬体の維持回復ができれば、春のうちに大仕事をやってのける可能性もある。

カンタービレ

自在性をフルに発揮したカンタービレ(橙帽)が優勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着トーセンブレスは、後方でうまく折り合いを付けて自分の競馬に専念。勝負どころからスムーズに進出して完全な勝ちパターンであったが、一頭強い馬がいたという形だ。この馬の力は出し切っており、阪神JFでの4着が伊達ではないことを示した。

 3着ノームコアは、上位2頭には決め手の差で屈したものの、半年ぶりの久々でこれだけ走るれば大したものだ。プラス14キロの馬体も成長分であり、これまたこの先が楽しみである。

 4着ウスベニノキミは、後方から運んで直線では最内をつく形。なかなかの伸びを見せ、あと一歩で3着という大善戦だった。

 5着ファストライフは、中団から手応え以上に渋太く脚を伸ばしたもので、初の1800mにも対応できることを示した形だ。

 メサルティムは、手応え良く先行できていたが、走破タイムは前走と一緒。けっしてこの時計に対応できない馬ではなく、中2週かつ再輸送での反動が出たか。ロックディスタウンは、レース前から発汗が激しく、レースに行っても折り合いが付かなかった。これはジョッキーの責任ではなく、それ以前に状態面で問題があったと言えるだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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