【高松宮記念】調教過程における過去と今の違い グレナディアガーズを推せる訳とは

調教班レポート
高松宮記念

これまでは潜在能力だけで勝ってきた?

 グレナディアガーズの過去の調整過程を振り返ると、レースに行くとテンションが上がりやすい気性を考慮しながら強い負荷をかけずに丁寧に調整し、結果的にキッチリと仕上げた事のない状態のまま、潜在能力の高さだけで2歳GIの朝日杯FSを勝ち、ハイレベルのNHKマイルCでも勝ちに行って3着に好走していた印象を受ける。
 これまでの実際の仕上げ方としては基本的には馬なり中心。好時計と言えるレベルの追い切りをするのはレースの1週前か、もしくは最終追いの1本だけ。全く目立つ様な速い時計を出さない時もあった。試行錯誤を繰り返しつつ、ほとんどがこのパターンで前走時まで仕上げてきた同馬だが、前走を快勝し、初のスプリント戦となる今回は折合い面での心配が少なくなるため、調教の負荷を確実に上げてきている。

グレナディアガーズ

調教では目立つ時計を出さずに暮れの阪神カップを勝ったグレナディアガーズ


しっかりと負荷をかけての新たなる挑戦

 今回は、3週前に6F80秒0~1F11秒3、2週前には5F66秒1~1F10秒3とCWで好調教を連発し、最終追いは坂路で4F52秒台をマークしただけでなく、デビュー以来初の1F11秒台を計測。馬なり中心ではあるが、それでもデビュー戦以来もっとも強い負荷をかけた効果は大きいはずだ。この距離への挑戦が更に上の舞台へと飛躍するキッカケになる可能性を秘めている。(栗東調教班・中邑茂)

グレナディアガーズ5

時計の数字通りに鋭いキレ味を見せたグレナディアガーズの最終追い

筆者:


1974年千葉市生まれ 1997年入社。栗東時計班。馬券は、馬連を中心に単勝や馬単も買うスタイル。趣味は、地元の滋賀県を中心にラーメンを食べ歩くこと。