【オークス】気になるスターズオンアース、サークルオブライフの状態は!?

想定班レポート
オークス

 今年のオークスは担当厩舎から5頭が出走。有力馬も多く登録のあった2週前から印に悩んでいたが、取材の感触を踏まえ、各馬の調整過程についてここで振り返ってみたい。(美浦:守屋貴光TM)
 まず何といっても桜花賞馬スターズオンアース(美浦:高柳瑞厩舎)だが、前走後はいつも通り山元トレセンに放牧に出し、疲れを癒やしてから美浦で調整。「いい状態で戻ってきたし、体調を整える感じで巧く調整できた。最終追いはルメール騎手に跨ってもらったが『モタれず走っていた』と言ってくれた。元々調教ではモタれる面はないんだけど、いいイメージを持ってもらえたのは良かったのかな」と高柳瑞師は桜花賞後の経緯を話してくれた。

スターズオンアース

桜の女王スターズオンアースが二冠奪取へ

気になる距離については「デビューした日に牝馬限定戦の1600m戦もあったが、長目の距離がいいと思っていたので1800mでデビューさせたくらい。牝馬戦はマイル戦の方が賞金を加算できるレースが多いので、その後は稼げる可能性が高いマイルを選択してきた。そこから一気の距離延長になるけど、元々を考えればこなせると思っている」とのこと。大外18番枠に入ったのがどうかだが、できれば桜花賞のように馬群の中に入れて闘争心を引き出したいところ。スタート後の位置取りがカギになるので、ルメール騎手の手腕にかかっている。


 個人的には、スターズオンアースより評価が上なのはサークルオブライフ(美浦:国枝厩舎)のほう。桜花賞は8枠16番から枠なりに外々を回らされ、スターズオンアースとは恐らく数十メートルの距離ロスがあったハズ。それでもメンバー最速の上がり33秒3を繰り出し、コンマ1秒差にまで迫ったのだから『負けて強し』と思わせるには十分だった。年明けの1月中旬に放牧先から美浦トレセンに戻り、そこから1度も放牧に出さずにチューリップ賞→桜花賞→オークスと来たが、牝馬三冠のアパパネもデビューからほぼ放牧に出さず美浦トレセンで調整されていた。そのときの担当者はサークルオブライフの担当と同一人物であり、ノウハウはできているのだろう。

サークルオブライフ

2歳女王サークルオブライフが、樫の舞台で巻き返しに燃える!

管理する国枝師もこの中間の状態について「カイ食いはいいし、ここにきて馬に迫力も出てきたね。最終追いのあとも落ち着きがあるのがいいし、いい状態で臨める」とのこと。距離についても「未勝利を勝ったときが、出遅れながら途中で上がっていきそこから捻じ伏せるような形。そこでスタミナがあるなと思っていたので、むしろマイルは短いかなとも考えていた。アルテミスSや阪神JFを勝ったのはポテンシャルの高さもあるが、巧くジョッキーが末脚を引き出してくれたのもあるだろうね。広い東京に替わって、この馬らしい末脚を直線で見せてくれればチャンスは十分でしょう」と自信をのぞかせていた。


 国枝厩舎のもう1騎、エリカヴィータはトライアルのフローラSを勝っての参戦。「数字はフェアリーSからプラス4キロだったが、カイ食いが良く馬体に実が入ってきたしシッカリしてきた。前走はインで狭くなりながら2頭の間を割って伸びてきたし、根性を見せたね。同じような競馬がここでもできれば面白い」と師。

エリカヴィータ

東京コース2戦2勝のエリカヴィータが上位を脅かすか!?

状態面についても「勝ったあともカイバはよく食べているし、馬体減りもないので休み明けを勝った反動はないね。むしろ上積みの方があると思う」とのこと。いわゆる桜花賞とは「別路線組」だが、軽くは扱えない。


 穴っぽいところではもう1頭、フローラS組からルージュエヴァイユ(美浦:黒岩厩舎)を挙げたい。「開幕週の最内枠がモロに影響した感じ。4角で前に4、5頭が内を狙っていたので真ん中外目に持ち出したが、内外から他馬に寄られ前をカットされた。前が開いてからよく伸びてくれたが、アレがなければもっと上位にこれた」と、黒岩師はレース直後に話してくれた。そのとき既に「オークスには登録する。池添騎手も確保した」と先を見据えていた。

ルージュエヴァイユ

キレ味鋭いルージュエヴァイユが、池添騎手との新コンビで反撃

最終追いには鞍上に乗ってもらったが「余力を残しながら文句のない動きをしてくれたし『この条件も合いそう』と好感触をつかんでくれた。相手が強いのはわかっているが、一発のあるジョッキーだし楽しみな挑戦だよ」と表情は明るかった。忘れず押えておきたい。

守屋貴光

筆者:


1978年神奈川県生まれ 2004年入社。美浦の厩舎取材を担当。取材の感触に加え、ラップやレースぶりなどを総合的に判断する予想スタイルで、馬券は単勝とそこからワイドへ数点が基本。中学時代からダビスタにハマり、そこから実際の競馬も観るようになった。一番好きな馬は、弥生賞の走りを見て鳥肌が立ったフジキセキ。

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