【オークス回顧】ステレンボッシュは勝ち馬を「褒めるしかない」 “桜13着”からの復活劇はなぜ?

佐藤直文 レース回顧
オークス

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桜惨敗からの見事な復活劇 チェルヴィニアが女王の座を射止める

 前半1000m通過は57秒7という近年稀に見るハイラップとなったが、後続を大きく引き離した2頭を除けば平均ペースだったか。ただ、底力が問われる流れだったことは確かであり、人気馬が上位を占める結果もそれを物語っているだろう。

 チェルヴィニアは、パドックでは二人引きながら落ち着きのある抜群の雰囲気。やや出負け気味のスタートだったが、最大のライバルだった2着馬の直後にスッとポジションを確保し、相手に合わせていつでも動ける状態だった。4コーナーではライバルから離れて馬群の外を選択したが、広いスペースに持ち出してからグンと加速し、突き抜けたもの。桜花賞の汚名をそそぐ走りだったが、よくここまで立て直した陣営と、完璧な騎乗で応えた鞍上もまた見事だった。

チェルヴィニア

桜花賞馬を外から捉えた2番人気チェルヴィニアが樫の女王の座に

 2着ステレンボッシュは、3~4コーナーの勝負どころで動けるだけのスペースがなく、直線を向いて内に進路を選択した形。前を上手に捌いて一旦は先頭に立ったが、勝ち馬の外からの強襲を凌ぐことはできなかった。桜花賞馬としての力は十分に示す走りで、今日のところは勝ち馬を褒めるしかないだろう。

 3着ライトバックは、桜花賞同様にジックリ構えての直線勝負だったが、いわゆる受けの競馬では、ここまでが精一杯だったか。

 4着クイーンズウォークは、離れた好位の5番手から直線で馬場の外目に持ち出して残り300mでは先頭に。最後に伸びを欠いたものの、能力は十分に示す走りだった。

 スウィープフィートは、折り合い重視で道中はシンガリから。3コーナー過ぎから仕掛けて直線を向いて勝ち馬と一緒に大外から一瞬突き抜けるかのシーンがあったが、最後は内にモタれ気味となってしまった。能力の差というよりも距離が長かったと見るべきか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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