【フェアリーＳ回顧】エリカエクスプレス「桜候補」に突如浮上　１番人気レイユールらは“本気のマイル戦”に対応できず

まさに圧巻の勝ちっぷり　桜も意識できるエリカエクスプレス

　少し時計のかかる馬場でペースも落ち着いて１分３４秒台の決着、という想定で予想を組み立てたのだが、前半３ハロンが３４秒１、１０００ｍ通過も５７秒３のハイペース、そして１分３２秒台の高速決着は正直言って想定外だった。本来は中団から後方待機組に流れも向いたはずだが、このペースを前で運んで完勝した勝ち馬には恐れ入った。

　そのエリカエクスプレス。パドックでもイレ込んでいて前進気勢が強く、スタート後も力み気味だったが、外からニシノラヴァンダが行ってくれたことで落ち着いて折り合うことができた。前述した通りの速い流れでも、楽な手応えで前を捉え、最後は流し気味での３馬身差。これが２戦目とは思えぬパフォーマンスであり、桜花賞も十分に意識できる器だろう。

ハイペースを早々抜け出し後続に３馬身差をつけて快勝したエリカエクスプレス

　２着ティラトーレは、勝ち馬にこそ完敗したとはいえ、逃げた馬がシンガリにバテる流れを粘った点は評価すべきだ。今後は抑える競馬を覚えるか、距離を短縮するかのどちらかを選択することになるだろう。

　３着エストゥペンダは、展開を味方にラストはよく脚を伸ばしたもの。もう少し距離が延びていいタイプかもしれない。

　４着マイスターヴェルクは、色々な形の競馬ができるのは大きな強味であり、ジョッキーも巧かった。加えて、今日は枠順も良かったか。

　レイユールは、経験したことのない流れが厳しかったか、伸びずバテずの競馬。ホウオウガイアも、距離短縮が意外とプラスに働かなかった印象。