【京成杯回顧】大波乱で“レベル”疑う声も… ニシノエージェントらは皐月賞でも「通用する」

佐藤直文 レース回顧
京成杯

大波乱の決着でも 出世は確約されたニシノエージェント

 最近2年の連対馬から、皐月賞馬、ダービー馬、そして菊花賞馬を輩出という“出世レース”。レース史上2番目に速い1分59秒9の高速かつ大波乱決着は、1000m通過58秒3のハイペースによって生み出されたとはいえ、上位馬のパフォーマンス自体は大舞台でも十分に期待を抱かせるものであった。

 ニシノエージェントは、淀みのない流れの中で序盤は後方でジックリと脚を溜める今までにない競馬。そういった立ち回りができたのも、芝中距離で4戦のキャリアが生きたとも言えるが、勝負どころからは外を回らずに上手に馬群を捌いて前を捉えた。色々な面で噛み合ったとはいえ、今日の競馬ならもうワンランク上のレベル相手でも通用するはずだ。

ニシノエージェント

11番人気のニシノエージェントが勝利し3連単172万円台の決着に

 2着ドラゴンブーストは、上手に流れに乗って、これまた勝負どころからロスなく立ち回って進出。先に抜け出した分、勝ち馬の目標になってしまったが、内容的には勝ちに等しいレベルだった。

 3着ミニトランザットは、前半は離れたシンガリから流れに乗じて追い上げたとはいえ、それ相応の脚力がないとできない伸びだった。

 4着キングノジョーは、今日の速い流れでも持って行かれ気味の好位追走。展開を考えれば能力的評価は落とせないが、クリアすべきは気性面での課題だろう。

 5着パーティハーンは、枠なりに外を回らされたのも厳しかったと言えるが、最後もジリジリとしか脚を使えなかった。

 ゲルチュタールは、プラス14キロの重目残り。同じ舞台の葉牡丹賞を好時計で駆けたとはいえ、そこからの調整が難しかったと言える。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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