【根岸S回顧】“カラ馬の影響”だけではない 「コスタノヴァ圧勝」「フリームファクシ凡走」の理由

佐藤直文 レース回顧
根岸S

東京無双の快進撃 久々でもモノが違ったコスタノヴァ

 適度に水分を含んだ稍重発表のダートを考えると、決着タイムの1分22秒6はそこまで速いわけではない。2着に4馬身差という文句なしの圧勝も、他の馬が走らなかったことによる産物と見るべきかもしれない。

 そのコスタノヴァ。冒頭にネガティヴなことを書いてしまったが、この馬の能力を否定するつもりは毛頭ない。直線を向いて、カラ馬を巧くやり過ごした鞍上の冷静な対応もさることながら、85点程度のデキでこれだけのパフォーマンスは並みの馬ではできない芸当。東京以外ではどうか、このあと順調に使えるか、などの課題は残るものの、頂点を極めるだけの器であることに疑いの余地はない。

コスタノヴァ

2番人気コスタノヴァが4馬身差の圧勝劇で重賞初制覇

 2着ロードフォンスは、勝ち馬とは対照的に4コーナーでカラ馬に寄られる大きな不利。それがなければもう少し差は詰まっただろう。

 3着アルファマムは、後方から自分の競馬に徹しての直線勝負。持てる力は出し切れたように思う。

 4着サンライズフレイムは、久々でテンションが高く、力んで厳しい先行争いに巻き込まれた形。むしろそれでもバテずに踏み止まったことを評価すべきだ。

 フリームファクシは、カラ馬の影響も受けたとはいえ本来の伸びがなかったあたり、暮れから4戦目というキツいローテ―ションで状態面に問題があったか。ドンフランキーは、息の入らぬ流れに加えて、1400mも気持ち長いのだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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