強い4歳が壮絶叩き合い! 勝負根性を見せたミッキーロケット

佐藤直文 レース回顧
日経新春杯

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早めの仕掛けからハナ差V ミッキーロケット

 降雪のために仕切り直しとなった京都火曜の日経新春杯は、13年から昨年まで4歳馬が4連勝中の一戦。古馬の中長距離路線では、有馬記念出走組がリフレッシュされる時季でもあり、ハンデにも恵まれる4歳馬が台頭するという構図だ。今年も上位3番人気までを4歳馬が占め、掲示板にも4頭という結果となったが、このあたりは世代のレベルの高さも示しているように思えた。

 ミッキーロケットは、前が飛ばす展開の中で中位グループの終始先頭に立つ形で、いつもよりも前目のポジション。それをピタリとマークしていた2着馬に直線で一旦交わされた時には、抜け出すのが早かったかと思えたが、そこからがこの馬の真骨頂と言えた。神戸新聞杯でもサトノダイヤモンドを最後まで苦しめたように、並んでからの勝負根性は相当なモノ。早いと思えた仕掛けも、和田騎手もそれを承知した上でのプレーだったのだろう。2キロのハンデ差をものともせずに差し返し、着差以上の力差を示したと言える。

ミッキーロケット

4歳馬同士の叩き合いはミッキーロケット(青帽)に軍配(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着シャケトラは、勝ち馬をマークしてほぼ完璧と言えるレースぶり。今日のところは勝ち馬の渋太さを褒めるべきだが、キャリアはまだ5戦目、1000万勝ちからの重賞挑戦だったことを考えれば、遅れてきた大物ぶりを存分にアピールしたと言っていい。

 3着モンドインテロは、道中は2着馬と同じ位置取りだったが、勝負どころで進出する際の手応えで見劣っていた印象。併せ馬になった上位2頭に、最後は突き離されての2馬身差であったが、ハンデ差を考えればそう悲観する内容でもないだろう。いずれは重賞を勝てる馬である。

 4着レッドエルディストは、後方で脚を溜める自分の形に徹したもの。メンバー最速の上がりでよく差を詰めていたが、前が止まる流れでもなかっただけに、これが精一杯だった。

 5着カフジプリンスは、勝負どころでズブくなる面をまたも露呈してしまった形。3角からの下りを利して、もう少しスムーズにポジションを上げられると思ったのだが、やはり鞍上の手の動きほど反応できなかったことが、引き続き今後の課題となるだろう。

 ヤマカツライデンは、ケレン味のない逃げを打って、早めに勝ち馬に交わされた割には、よく粘っていた。自分の形を持っていて、常に力を出し切れるこういうタイプの馬は、要は流れひとつ。どこかでチャンスがあると思う。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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