“買えるのはネットだけ”　ＪＲＡによる海外レース馬券発売の課題とは…

ｉ－Ｓｅａｔの普及とその可能性

　そこで活用を見出したいのが「ｉ－Ｓｅａｔ」。これは最近、ＪＲＡが競馬場・ＷＩＮＳに設置を進めているもので、指定席に設置されている端末を使い、インターネット投票と同じシステムで馬券が購入できるというもの。ＩＣカードに現金を入出金して使うため、キャッシュレスでの馬券購入が可能。前日発売こそ利用できないものの、席を立たずに馬券が買える、ＷＩＮ５も購入できるというメリットがある。これを活用すればインターネット投票の会員ではない方にも海外レースを購入する機会ができるはず。ネックはやはり、比較的夜間のレースが多く、出来ても事前発売くらいという点。結局のところ、生半可な発売体制はノミ行為などの温床になりかねないので、その点も考慮すべき問題である。

逆パターンは有り得るか？

　これまでスポットを浴びて来たのは海外レースを「買う」というもの。では、これの逆パターンはどうなのだろうか。つまり、日本のレースを海外の競馬ファン向けに売り出すということ。馬券予想のための情報に富んだ日本の競馬は、予想する楽しさを生み出している。その部分をうまくフォローする事が出来れば、海外の競馬ファン、そして仕事や家庭の事情で海外に在住している方にも楽しんでもらえる余地はある。やや話は飛躍したが、新たな財源を生み出してそれをファンサービスへと還元していただければ、この上ないことではないだろうか。