ダート短距離界にも新星誕生 ディオスコリダーが古馬を子供扱い

佐藤直文 レース回顧
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着差以上の完勝 ディオスコリダー

 好調馬が揃い、けっしてメンバーレベルが低かったわけではなかったが、テン3ハロンが34秒0と落ち着いた流れになったことで、決着タイムも1分11秒0という平凡なものとなった。そんな中で、メンバー最年少馬と最年長馬での珍しいワンツーとなったわけだが、勝ち馬は強かったとしても、9歳馬が2着とは他の馬たちが情けなかった感も否めない。

 ディオスコリダーは、大外枠からスタートを決めて理想的なポジションに。さほどテンが速くならなかったことも良かったが、前走から馬具を換えたことにより操作性も格段に高くなっており、着差以上の完勝だったと言える。まだ3歳という若さも魅力で、今後のダート短距離戦線の核となるのは間違いない。

ディオスコリダー

古馬を一蹴した3歳馬ディオスコリダー(左)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着スノードラゴンも、外枠や時計のかかる決着が好走の因とはいえ、58キロを背負った9歳馬の激走には頭が下がる。芝のGIホースにとって、芝スタートのこのコースも合っていると言えるだろう。

 3着ブルドッグボスは、道中は揉まれる形で、直線でも捌くのに苦労していたが、最後は目立つ伸び脚。中央在籍時よりも力を付けているのは間違いない。

 4着ドラゴンゲートは、絡まれることなく前述した緩いペースで逃げることができたのが全て。今日と同じ競馬がそうそうできるとは思えず、過大評価はできない。

 5着ニットウスバルは、前走のようにスローな流れでも自力で差すことができる馬だが、今日はスタート後に挟まれて位置取りが悪くなったのが痛かった。最後は来ていただけに、外枠を引けていたら、との感を受けた。

 ブルミラコロは、ジックリ運ぶ策だったのだろうが、ポジションの割りには脚を溜められていなかった印象。こちらは逆に外枠がマイナスだったかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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