混沌マイル界の統一へ サングレーザー圧巻のレコードV

佐藤直文 レース回顧
マイラーズカップ

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この競馬なら崩れない サングレーザー

 純然たる逃げ馬が不在の組み合わせでスローペースも予想されたが、押し出されるようにハナに立ったベルキャニオンに、ロジクライが掛かり気味に絡んだことで、レコード決着を生む予想以上のハイラップに。前目で運んだ馬が有利な開幕週の馬場とはいえ、後方からでも瞬発力が生きる流れだった。

 サングレーザーは、前が飛ばす流れにも恵まれたとはいえ、後方でジックリと構える形で運んで上がり33秒2の脚は、まさに強いの一言だった。重馬場のスワンSを勝ったとはいえ、持ち味はパンパンの良馬場でこそ生きる馬であり、今日の競馬ができればまず大きく崩れることはない。本番の安田記念でも大いに楽しみになったと言える。

サングレーザー

レコードで重賞2勝目をあげたサングレーザー(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着モズアスコットは、今日の流れを好位で運んで勝ちに行った競馬は、負けて強しの内容。自在性も示したように、経験を積むごとに進化している感も受ける。賞金的には微妙かもしれないが、出走が叶えば安田記念でも有力の一頭となるだろう。

 3着エアスピネルは、速い流れだったこともあってか、中団でジックリと運んだが、久々のせいか追われての反応が一息で脚を余した感を受けた。勝ち馬には完全にキレ負けしたとはいえ、2着馬を追いかける形であれば、結果も違ったものになったかもしれない。いずれにしろ、次を見据えた仕上げだったことを考えれば、本番は期待できるだろう。

 4着ガリバルディは、前とは離されたとはいえ、直線でしっかりと脚を使っていた。今回のようにリフレッシュされて臨んだ方が走るタイプでもある。

 5着ベルキャニオンは、前述したようにハナに立って絡まれるかわいそうな展開だったが、それでも崩れなかったあたり、力は付けている。

 ロジクライは、自分のペースで逃げるのならともかく、今日のように行ってしまっては失速もやむなし、と言えた。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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