展開がハマったわけではない 完勝で頂点も見えたサンライズノヴァ

佐藤直文 レース回顧
武蔵野S

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得意の舞台で強い勝ち方 サンライズノヴァ

 前半3ハロン通過が34秒8で、見た目にも速い流れではあったが、脚抜きのいい馬場でのGIIIならけっしてハイペースではなく、スムーズな競馬さえできればポジションによる有利不利はない流れだったと言える。

 サンライズノヴァは、序盤は後方から自分のリズムで運び、3コーナーを過ぎてから馬群の外目を手応えよく進出し、直線では持ち前の末脚を全開した形だ。昨年のこのレースでは同じ後方待機でも砂を被って消耗も大きかったが、鞍上も同じ轍は踏まずにスムーズに気分良く走らせていたし、何より馬自身も成長を示す強い勝ち方。前述したように、けっして展開がハマったわけではないという点でも、次のチャンピオンズC、そして来年のフェブラリーSでは楽しみな存在となった。

サンライズノヴァ

今回も末脚を爆発させたサンライズノヴァ(右黒帽)が重賞2勝目(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着クインズサターンも、後方待機から直線では勝ち馬を追うように脚を伸ばし、馬体を併せるところまでは行かなかったが、力は存分に発揮したもの。小回りコースでもそれなりの立ち回りができる馬だが、今日のようにジックリと脚を溜められるという点では、この舞台がベストかもしれない。

 3着ナムラミラクルは、離れた2番手追走から、直線で一旦は完全に抜け出していたが、一頭になってしまったのに加え、やはり上位2頭とは少し力の差もあったか。

 4着ユラノトは、積極的な立ち回りで直線でも見せ場は作ったが、もうひと伸び欠いたのは久々の分だろう。加えて、この馬はワンターンよりもコーナー4回の競馬の方がいいタイプかもしれない。

 5着ルグランフリソンは、ここまで踏ん張れたことは前述したようにけっして速い流れではなかったことの証明だと言える。

 インカンテーションウェスタールンドは、3コーナーで接触するシーンもあったほど2頭でやり合って、結果的にはレースでの戦いから外れた形。ウェスタールンドに関しては、行き過ぎたこともあったが、マイルは距離不足であろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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