オークス出走各馬に距離不安？ そんな中「全く心配ない」と断言した調教師

まだまだ差のない馬たちも　穴党ＴＭが注目するのはこの馬だ

伊利「僕はビーチサンバに◎。桜花賞では外から３着馬が来るともう一伸びしてみせたあたり、脚が余っていた印象を受けましたし、それで２着とコンマ１秒差なら逆転の期待をかけてもいいでしょう。クイーンＣでは、前日の共同通信杯の勝ち馬ダノンキングリーに並ぶ上がり３２秒９の鬼脚を繰り出したように、東京コースなら弱点である加速の遅さもカバーできるはずです」

坂倉「ビーチサンバは、ここ３戦のようにスローのキレ味勝負ではもう一押し足りない感を受けますが、今回はメンバー的にもある程度淀みない流れが予想されますからね。キャリア１戦の身ながら、厳しいペースを早目に勝ちに行って一旦先頭のアルテミスＳが、２着ながらかなり濃い内容だったと思うので、ここは面白い存在になりますよ」

板子「これまでのビーチサンバは、レースによって仕掛けのタイミングが異なっていますが、末脚を生かし切った印象を受けたレースはないですからね。血統的にもこの舞台に魅力を感じますが、脚の使い方ひとつで勝ち負けになる可能性はあるでしょう」

小島「その仕掛けのタイミングについてですが、福永騎手はこのオークスを目標にして教え込んできた感も受けますね。ゲートの不安はありますが、とにかく崩れない馬ですし、◎は決めていた馬がいたので譲れませんでしたが、限りなく◎に近い“○”ですよ」

広田「陣営も“左回りの方がコーナーリングも上手で東京に替わるのは間違いなくプラス”とのことですし、今の高速馬場への対応が鍵となりますが、力を付けて折り合い面でも進境を見せている今なら一気の距離延長もこなせると判断しているようです。“いいリズムで直線に向けば弾けてくれそうな気がする”というコメントも、期待の大きさを表していると思いますよ」

複数のＴＭから穴馬として推奨されているビーチサンバ（撮影：日刊ゲンダイ）

久光「僕はエールヴォアで一発を狙います。大トビで雄大な走りの馬で、コジさんではないですが、僕も兼ねてからオークスでこそと思っていた馬。走りが窮屈な中山１８００ｍでの２着確保や、距離不足のアルテミスＳや桜花賞でのパフォーマンスは、能力だけと言えるもので、これまでで最良に思える今回の舞台での激変に期待してみたいです」

持木「胴長のヴィクトワールピサ産駒なら、距離延長も大歓迎のはずですし、アルテミスＳでの走りからも、東京コースは合うと見ていいでしょう」

板子「そのアルテミスＳでのエールヴォアは、距離不足だった分とも言えますが、道中で手綱を引いてブレーキがかかるシーンもありましたからね。器用な小脚が使えずコーナー４つではスムーズに加速ができない中山のフラワーＣでも２着を確保したあたりが力の証明だと思いますし、フルに力を発揮できそうなこの舞台では楽しみですよ」

瀬古「暮れのエリカ賞もいわゆる出世レースですし、牝馬で快勝したのなら間違いなくオークス向きと言える馬。桜花賞こそスタートが一息で後方からのポジションとなりましたが、この距離ならエリカ賞の時のように無理なく前のポジションを取れて、長くいい脚を使えるこの馬の持ち味を存分に生かせるはずです、僕も大逆転に賭けてみたいですね」

デスク「そのアルテミスＳの２・３着馬が、穴馬として名前が挙がっている一方で、勝ち馬の評価が急落している形だけど」

馬場「それ以降のシェーングランツは、着順も下げ続けているわけですが、関西への遠征続きで減っていた馬体は回復していますし、“早くからこの舞台を意識してきた馬で、今までの競馬からも距離延長は歓迎。アルテミスＳの末脚は際立っていたし、東京での変わり身を期待している”と、陣営は望みを捨ててはいませんけどね」

那谷「全く人気はないんだけど、ミルコが“ラヴズオンリーユーと同じくらいのキレ味がある”と評価しているのが、桜花賞まで主戦を務めていたアクアミラビリスで、一週前の追い切りで跨いだ藤岡佑騎手も“相当キレますね”と言っていたんだ。ただ、並ぶ形になると馬を抜こうとするらしく、２戦目や桜花賞はそれで折り合いを欠いたもの。今回はエルフィンＳのような末脚勝負に賭けるそうで、よほど展開が向かないと直線一気は決まらないとは思うけど、当時の脚を再現できれば、もしかすると、だよ」

デスク「あとは、抽選対象だったこともあって下馬評自体が低かったフェアリーポルカだけど、フローラＳが大外枠の不利があってコンマ１秒差なら、けっして悪くはない内容だよな」

細川「陣営もロスがありながら見せ場を作った前走内容は評価してましたし、ノーマークにはできない馬だと思いますけどね」