ラブリーデイ＆エイシンヒカリに迫る馬は？ 座談会で天皇賞・秋の穴馬をチェック

前哨戦で完勝し、最高の状態で臨む馬たち

デスク「近年の秋天は、大波乱はないけどもなかなか人気通りに決まらないよな。今年も断然と言える存在がないので難しそうだなぁ…」

田崎「まぁ、僕の中では、上がり勝負を制した前走に成長の跡も見られたラブリーデイが“断然の存在”なんですが…。他の有力どころに一長一短がある今年のメンバーなら、主役を張れるはずです」

守屋「その前走の京都大賞典は、先を見据えた仕上げで、５８キロの斤量、距離もベストではない中での完勝ですから、“充実”という言葉以外に適当な文句が思い浮かばないほどですよね」

那谷「開幕週の馬場を考慮しても、上がり３２秒３は凄い数字だし、２０００ｍを超える距離の重賞では史上最速らしいぞ。“今までのメンバーとはレベルが違うので厳しい戦いとなるかも”と、池江寿師は意外に慎重だったけど、迷いなく◎を打てるレベルだよな。今回は皐月賞以来のコンビとなる浜中騎手も“ひと回りもふた回りも成長している”と手応えを感じている様子だったし、同じ厩舎のミッキークイーンで大仕事をした自信からか“プレッシャーは感じない”と強気のコメント。キッチリ結果を出してくれそうだよ」

浜中騎手も強気のコメントを出しているラブリーデイ（撮影：日刊ゲンダイ）

小桧山「ただ、ラブリーデイには東京２０００ｍの地力勝負で、というイメージが沸かないんだよな。だったら、ＧI特有の“どうぞどうぞのスローペース”でエイシンヒカリが逃げ切ってしまう可能性の方が高いんじゃないか。あまりそうなって欲しくはないし、各ジョッキーが勝負を挑んで面白いレースを期待しているけどな」

デスク「そのエイシンヒカリだが、まさかの“編集長以外に◎ナシ”なんだよな」

上田「今回は登場が早めだけど、データ上、秋天に逃げ馬は厳しいことは確かで、それでみんな嫌っているんだよね。ただ、特に武豊騎手に手替わってからのここ３戦は着差以上の強さだと思うんだ。これだけの内容で勝ち続けている馬を、逃げ馬というだけで軽視するのは、いかがなものか。迷いのない◎ではないんだけど、コビさんが危惧する流れにもなりそうだしね」

清野「確かに、じゃあ何が絡んで行くのか、と考えると、該当する馬も見当たりません。毎日王冠よりも状況が厳しくなるとはいえ、残り目を警戒すべきですよね」

デスク「あとは一年前の同じ東京２０００ｍで見せた大斜行だな。もう心配は要らないのかな？」

菅「東京でのここ２戦を見れば心配ないやろな。前回からいい意味での平行線で、状態よし、舞台よし、鞍上よし。陣営も“自分の競馬をするだけ”ということやから、戦法にも迷いはないはずや。あとは、コビさんも言うてたように、どの騎手がどれだけ強い気持ちを持って早めに動くのか、やろね」

佐藤直「そういう展開に左右される馬よりも、俺はもう一つのステップレースであるオールカマー勝ちのショウナンパンドラを狙いたいな。一瞬のうちにヌーヴォレコルト以下を差し切った内容は完全本格化と言っていいし、東京２０００ｍなら展開不問で能力を発揮できるんじゃないか」

西田「オールカマーで見せた強烈な末脚は、むしろ東京２０００ｍでこそという気もしますよね」

小島「池添騎手はＧIだと別人か、と思えるほど。ＧIを勝つコツを知ってるんだと思いますよ。近年の秋天の傾向を考えても、強い牝馬が出てくれば、迷わず買い！のはずです」

田崎「ただ、一瞬のキレが武器なので、本質的には直線の短いコースの方がいいんじゃないかと思いますね。東京で、牡馬相手のＧIで勝負になる女傑、までのレベルにあるかどうか…」

加茂「宝塚記念の３着がフロックやないことは証明できたんやし、振り返れば大阪杯やヴィクトリアマイルの敗戦は体調の問題やったと思うわ。距離も２０００ｍがピッタリの馬やから、今の気配ならやれるんやないか」

広田「陣営も早い段階で秋の目標をココに置いて、エリザベス女王杯という選択は全くなかったくらいや。担当の吉田助手も“絶好調です”と自信満々。高野師も常々“牡馬相手でもヒケは取らない”と言うてるように、このレースに賭ける意気込みは相当なモンやで」