松山ヒシイグアスが着差以上の完勝 14着ディープボンドは「距離不足」

佐藤直文 レース回顧
中山金杯

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3連勝で重賞ゲット ヒシイグアスが飛躍の年に

 中山は暮れまでのAコースからCコースへと変更。内柵が6メートル外へ移動した形となったが、全体的に時計のかかる状況に変わりはなく、この時期らしい馬場状態だった。加えて、前半1000mが62秒0という緩いペースでは、中団より前が最低ラインの位置取りとなったように思える。

 ヒシイグアスは、レース序盤では少し力みが見えたが、松山騎手が落ち着いて馬群に入れて折り合いを付け、勝負どころから外へ持ち出して進出する形。直線で抜け出してからは2着馬の強襲に遭ったが、着差以上の完勝だったと言える。ここ2連勝は東京での瞬発力勝負だったが、本来は中山向きのタイプであり、秋の時点で完全本格化を果たしていたということだろう。もともとデビュー当初から素質の高さは示していた馬であり、当時よりも気性面で成長したのであれば、今年は上のステージでも活躍が期待できる。

ヒシイグアス

1番人気のヒシイグアスが3連勝で重賞初V

 2着ココロノトウダイは、道中は勝ち馬の内というポジションだったが、勝負どころでは内をついて進出し、直線でも狭いところを割って渋太く勝ち馬を追い詰めたもの。こちらはまだ本格化とは言えないまでも、今年の成長が楽しみなるレースぶりだった。

 3着ウインイクシードは、もともとが中山巧者ではあるが、今日に関してはとにかく前に行ったことが正解だったか。持ち味は生かし切ったように思う。

 4着ロザムールも、マイペースに逃げに持ち込んだことが全てだが、中山コースであればオープンでも目が離せない存在だ。

 5着アールスターは、今日のペースでは絶望的な位置取りだったが、直線で馬群を捌いてよく差を詰めたもの。小倉記念勝ちもそうだったが、小回り向きの器用さは示した形だ。

 ヴァンケドミンゴは、外枠だったこともあって序盤にポジションを取りに行ったが、この馬として少し行き過ぎたか。勝ち馬あたりの位置で脚を溜めたかったところだろう。ディープボンドは、厳しい位置取りで直線でも前が開かずにほとんど追えていなかったが、2000m自体が距離不足かもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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